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債務整理で車を失わない方法|3つの手続き別に影響と注意点を解説

澁谷 望
監修者:弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望
  • 所属弁護士会:第二東京弁護士会 第54634号
  • 出身地:熊本県
  • 出身大学・大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
  • 保有資格:弁護士・行政書士
  • コメント:理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
  • 弁護士法人・響HPの詳細プロフィール

債務整理で借金を解決したいけど、現在乗っている車がどうなってしまうのかを心配する人は多いでしょう。

債務整理をすると必ず車を手放さなければならないのでしょうか。
もし車を残しながら借金を解決する方法があるのなら知っておきたいですよね。

そこでこちらの記事では、
・債務整理をすると車は手放すのが原則
・車を手放さずに債務整理をする方法
・債務整理をしても車に乗り続けられる工夫

などについて解説します。

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債務整理の種類によって車への影響は異なる

借金を債務整理で解決すると、現在使っている車にはどのような影響があるのでしょうか。

結論から言うと、債務整理をすると車は引き上げられてしまうのが基本です。
債務整理の制度では、借金で苦しむ債務者を救済するのと同時に、お金を貸した債権者の権利も守らなければなりません。
そのため、債務者は借金の負担を軽減・免除してもらう前に、まずは財産として一定の価値がある車を手放さなければならないのです。

ただし、債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3つの種類があり、それぞれ進め方を工夫することで車を手放さずに済む方法もあります

借金の総額や車のローンの有無など、債務者の状況によって選択するべき手段が変わってくるので、自分がどういう状況にあるのかを確認しながら対処法を検討していきましょう。

任意整理による車への影響

まずは任意整理をした場合の車への影響と対処法を解説します。

任意整理は、利息と遅延損害金の支払いを免除してもらい、残った元金を3~5年間で返済していく手続きです。
裁判所を介さずに、直接金融業者と交渉して借金の負担軽減を認めてもらうという私的な手続きが特徴です。
複数の借金がある場合は、任意整理をする会社と任意整理をせずに従来どおり返済していく会社とを自分で選ぶことができます。

自動車ローンを任意整理すると車を失う

自動車ローンを任意整理する会社として選択すると、車を引き上げられてしまいます。

自動車をローンで購入している場合、一般的に、ローンを支払っている間は金融業者がその車の所有者となり、車をローンの担保にしています(所有権留保)。
そのため、車の購入者がローンを支払えなくなった場合、所有者である金融業者が車を引き上げられるようになっているのです。

車を失わずに任意整理する方法

任意整理では、複数の借金がある場合にどの借金を任意整理をして、どの借金を任意整理しないかを選ぶことができます。
自動車ローンは任意整理をせずに従来どおり支払いを続け、自動車ローン以外の借金を任意整理することで、車を残すことが可能です。

自動車ローン自体は減額されませんが、他の借金の利息を免除してもらうことで、結果的に借金の負担を軽減することができます

個人再生による車への影響

個人再生は最少返済額を100万円として、借金総額を最大減額率10分の1にまで大幅に減額できる債務整理です。
個人再生でも工夫次第で車を残すことができます。

ローンが残っていると車は残せない可能性が高い

自動車ローンが残っていると、個人再生では車を残せない可能性があります。
自動車ローンの支払い中は、ローンが支払えなくなったときに車を引き上げられるように、金融業者は車に所有権留保を設定しているのが一般的だからです。

個人再生は裁判所を介した手続きであり、借金が複数ある場合はすべての債権者を平等に扱わなければならないと法律で定められているため、任意整理のように特定の借金だけは返済し続ける、ということができません。 他の借金と同じように自動車ローンも個人再生することになるので、金融業者は所有権者として車を債務者から引き上げることになります。

銀行系のマイカーローンだと車を残せる可能性がある

銀行系のマイカーローンを組んでいると、車を処分されずに済むかもしれません。

自動車ローンには信販会社系ローンと銀行系ローンがあります。
信販会社系ローンでは、車を購入したい本人に代わって信販会社がお金を立て替えて自動車販売店に支払いますが、銀行系ローンはあくまで銀行が本人にお金を貸しているだけなので、自動車販売店と銀行は無関係です。

つまり、銀行系ローンは所有権留保を付けていない可能性があるため、その場合は個人再生をしても車を残すことができます

ローンを完済しているときも注意が必要

すでにローンを完済している自動車であれば、強制的に処分されるということはありません。
ただし注意しなければならないのが「清算価値保障の原則」です。

個人再生では債務者は再生計画を作成しますが、再生計画での返済額は、自己破産で財産を売却処分した場合の総額よりも高くなければならない、という清算価値保障の原則があります。 つまり、残したい自動車が高額である場合、その分個人再生後に返済する金額が高くなってしまうということです。

例えば、借金が500万円ある場合、個人再生によって5分の1の100万円までの減額が基準とされていますが、もし売却額200万円相当の車を残そうとする場合、最低200万円は返済していかなければなりません。

個人再生の前にローンだけ完済するのは禁止

個人再生をする前に自動車ローンだけを優先して完済してしまうと、これは禁止行為にあたりますのでご注意ください。
複数の借金がある場合は、すべての債権者を平等に扱わなければなりません(債権者平等の原則)
特定の借金だけを優先して返済すると、偏頗弁済という違反行為になってしまいます。

偏頗弁済をすると、偏頗弁済した分が上乗せされて返済総額が増えてしまうか、個人再生そのものが裁判所から認められなくなる可能性があります

別除権協定によって残せることもある

所有権留保のついている自動車ローンがあっても、別除権協定によって車を残せることがあります。

別除権協定とは、自動車ローンだけは支払い続けることで、車が処分されるのを防ぐことができる制度です。
ただし自動車ローンだけを支払い続けることは偏頗弁済に当たるため、裁判所や他の債権者から認めてもらう手続きが必要です。

別除権協定を利用できるのはまれなケースで、タクシーの運転手や個人の宅配事業者など、車を処分されると仕事ができなくなってしまう場合に限られます。

自己破産による車への影響

任意整理でも個人再生でも解決できない場合は、自己破産を検討します。
自己破産は残りの借金を全額免除してもらう債務整理で、場合によっては車を残せることがあります。

自己破産では基本的に車を処分される

自己破産は借金で苦しむ債務者だけではなく、お金を貸している債権者の権利も保護しています。
もし債務者がお金に換えられるような財産を所有している場合、まずはそれを売却処分して返済できる分だけを返済してから、借金の全額免除が認められます。

車もお金に換えられる換価財産として扱われるため、ローンを完済している車は売却処分をされます。
自己破産は個人再生とは違って強制的に財産処分をされるため、車を残すことは難しいでしょう。

車の時価が20万円以下のときは処分されない

換価財産は処分されるのが原則ですが、どの財産を換価処分するかは一定の基準に基づいて行われるのが一般的です。
車のような財産は時価20万円が基準額とされているため、20万円以下の評価額がついた車は残すことができます。

この基準額は全国の多くの地方裁判所で適用されていますが、あくまでも管轄の裁判所が定める規定によるので、わからない場合は専門家に相談するようにしましょう。

債務整理後に車を利用する方法

債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されるので、事故情報が削除されるまでの一定期間は、自動車ローンを組むことはできません。
それでは債務整理後に車を利用するにはどうしたらいいのでしょうか。

レンタカーやカーリースを利用する

通勤や日常生活で車が必須でない場合は、レンタカーで対応しましょう。
レンタカーは車を貸し出すサービスなので、信用情報とは無関係に利用することができます。

年単位の長期期間で車を借りられるカーリースというサービスもあります。
多くのリース会社は保証会社として信販会社と提携し、信用情報の調査をしますが、一部のリース会社では信用情報機関とは異なる独自の審査基準を設けており、そういった会社でのカーリースは利用可能な場合があります。

現金で中古車を一括購入する

現金で一括購入すれば車を買うことができます。
信用情報は分割払いで購入する際に金融業者が参考にするもので、一括購入のときは自動車販売者と購入者との契約になるため信用情報は関係ありません。

新車で購入するのは難しくても、手頃な価格の中古車であれば、債務整理をした後でも一括購入することは可能でしょう。

家族名義でローンを組む

債務整理をした本人の代わりに家族名義でローンを組むことで車に乗ることができます。
ただし本人以外の名義が認められるのは同居家族や扶養家族などで、別居している家族の名義は認めていない金融業者もあります

家族名義が認められるローンであっても、実質的に本人が支払いをする場合は注意が必要です。
本人が支払いを滞納すると、契約している家族が金融業者からの督促を受けることになります。
契約している家族が支払わなければ車は所有権者である金融業者に引き上げられてしまうため、支払先が家族といえどしっかり払い続けなければなりません

自社ローンを組める会社を選ぶ

債務整理をした人でも、自社ローンを提供している自動車販売業者であれば、車のローン購入をできる可能性があります。

自社ローンは自動車販売業者が独自に提供している分割払いのサービスで、審査も信用情報を参考にせず独自の基準を設けています。
支払能力があると自動車販売業者が判断すれば、債務整理で事故情報が登録されている人でもローンを組むことができます

事故情報の削除後は社内ブラックの会社を選ばない

債務整理の事故情報は一定期間が経過すると削除され、自動車ローンの審査が通常どおり行われるようになります。

ただし、一度債務整理をした会社は信用情報とは別に社内独自の顧客情報を保管しつづけています(社内ブラック)。 債務整理をしたことのある会社が提供する(または保証会社になっている)自動車ローンは審査に落とされる可能性があるので、他の金融業者の自動車ローンを利用するようにしましょう。

まとめ

債務整理をすると、現在所有している車は手放すことが原則ですが、3つの債務整理の進め方次第では、車を残すことが可能です。

債務整理後は信用情報機関に事故情報が登録されるため、一定期間はローンの審査が通りません。
車を利用したいときはやり方を工夫する必要があります。

債務整理はしたいけど車に乗り続けたい人は、専門家に相談して、自分に合った手続きで車を利用できる方法を考えるといいでしょう。

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