- 弁護士会所属
- 大阪弁護士会 第57612号
- 出身地
- 兵庫県
- 出身大学
- 立命館大学法学部 立命館大学法科大学院
- 保有資格
- 弁護士・行政書士
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個人再生をすると、氏名や住所が官報に載りますが、それによって周囲にバレるケースは少ないでしょう。
官報とは、新しい法律など、重要な事柄を国民に知らせる国の機関紙で、官報を読むのは税務・金融・保険などの関連業務をにたずさわっている、ごく一部の人だけだからです。
逆に、こうした人が身近にいると、官報掲載をきかっけに個人再生がバレる可能性はあります。
官報への掲載による影響が気になるなら、官報に載らずに支払額を減らせる債務整理方法として任意整理という方法があります。
個人再生しかないのでは、と思っても、よりデメリットを抑えた方法で借金を減らせる可能性があるのです。
弁護士法人・響では、借金に関する相談を何度でも無料で受け付けています。
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目次
個人再生をすると官報に載る?公告内容は?
個人再生とは、裁判所に再生計画を認可してもらい、借金を1/5〜1/10程度に減額することを目指す手続きです。
個人再生をすると、「官報」という国の機関紙に氏名や住所などが載ります。
ここでは、次の点を詳しく見ていきます。
- 官報とは?
- 個人再生をして官報に載る情報とは?
個人再生については、以下の記事で詳しく解説しています。
官報は国の機関紙
官報とは、新しい法律など、重要な事柄を国民に知らせる国の機関紙です。
発行元は内閣府で、独立行政法人国立印刷局が編集・印刷・インターネット配信を行っています。
発行日は、行政機関の休日を除く毎日です。
官報に載るのは、たとえば次のような事柄です。
- 新しい法律や条約
- 省庁から出された命令や告示
- 大臣などの人事異動
- 司法試験の合格者氏名
- 公共事業の競争入札
- 裁判所による公告
官報を見るには、3つの方法があります。
- 紙版の官報:官報販売所 やインターネットで購入可能
- インターネット版官報 :本紙のPDFが閲覧可能。直近90日分が無料
※以前は直近30日分までの公開でしたが、2023年1月27日以降の発行分から直近90日分の公開に変更されました。 - 官報情報検索サービス :過去の官報に載った情報を検索できる。会員登録が必要
国立印刷局のWEBサイトに実際の官報が紹介されています。
個人再生で官報に掲載される内容
先ほど官報に載る事柄として挙げた「裁判所による公告」のひとつに、個人再生の公告があります。
たとえば、裁判所が個人再生の開始を決めると、次の項目を官報に載せて公告します。
- 再生債務者の住所と氏名
- 開始決定の年月日時
- 開始決定の主文
- 再生債権の届出期間
- 一般異議申述期間
- 決定をした裁判所名
項目の4と5により、債権者に、再生手続きへの参加と、届出債権への異議申立ての機会が与えられます。
実際の個人再生の官報掲載例は以下のようなものです。
小規模個人再生による再生手続開始
令和〇年(再イ)第〇号
〇〇県〇〇市〇〇
再生債務者 〇〇〇〇
1 決定年月日時 令和〇年10月31日午後5時
2 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。
3 再生債権の届出期間 令和〇年11月21日まで
4 一般異議申述期間 令和〇年12月4日から令和〇年12月11日まで
〇〇地方裁判所民事部再生係
この点は後ほど詳しく解説します。
個人再生で官報に載ると周囲にバレる?
個人再生が官報に載っても、周囲にバレることはほぼありません。
官報を読むのは、税務などの仕事に就いている、ごく一部の人だけだからです。
ただ、こうした人が身近にいると、バレる可能性はあります。
詳しく見ていきましょう。
基本的に家族や勤務先にバレることはない
官報に載っても、家族や勤務先に個人再生がバレることはあまりありません。
次の理由から、一般の人には官報を読む機会がほとんどないからです。
- ごく一部の人しか関心を持たない紙面内容である
- 官報販売所が各都道府県に1か所しかない
- インターネット版官報が直近90日以内のものを除いて有料会員制である
ただ、次の項目で紹介するように、バレる可能性はゼロではありません。
官報を閲覧する業界・部署に勤めている人にはバレることも
官報をチェックしている職業の人が身近にいると、個人再生がバレる可能性があります。
具体的には、次のような職業です。
- 弁護士や司法書士などの士業
- 金融業者
- 保険会社
- 信用情報機関
- 市区町村の税務担当者
- 警備会社
たとえば信用情報機関は、加盟金融機関の利用者が個人再生をすると事故情報として登録しなければならないため、毎日の官報チェックが欠かせません。
個人再生をして官報に掲載されるタイミングはいつ?
個人再生では、官報に3回載ります。
- 1回目:裁判所が個人再生手続開始決定をしたとき
- 2回目:裁判所が小規模個人再生の再生計画案の決議を再生債権者の書面投票で行う決定をしたとき
または
給与所得者等再生の再生計画案の認可について再生債権者の意見を聞く決定をしたとき - 3回目:裁判所が個人再生計画を認可する決定をしたとき
個人再生の流れは以下の記事で詳しく解説しています。
ちなみに、他の債務整理方法である自己破産では官報に2回載り、任意整理では1回も載りません。
任意整理については、詳しくは後述します。
個人再生で官報に載ることのデメリットは?
個人再生で官報に載ることのデメリットは以下4つです。
- 勤め先などで官報を確認する人が周囲にいた場合、個人再生がバレる可能性もある
- 闇金業者などからダイレクトメールなどが届く可能性がある
- 官報掲載のために官報公告費用がかかる
- 住宅ローンなどの審査に影響が及ぶこともある
1点目のバレる可能性に関しては「個人再生で官報に載ると周囲にバレる?」で解説しています。
ほかの3点について、詳細を見ていきましょう。
闇金業者などからダイレクトメールが届く可能性がある
個人再生が官報に載ると、闇金業者などの違法業者からダイレクトメールが届くことがあります。
こうした業者は、個人再生した人の氏名と住所を官報で調べるからです。
個人再生をすると事故情報として信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」状態になると、5~7年間程度、新たな借り入れができません。
しかし、貸金業法に違反した業者である闇金業者は、いわゆるブラックリスト状態の人をターゲットに違法な高利でお金を貸し付けようとしていることが多いのです。
一般の金融機関から借りられない弱みに付け込む闇金業者からの誘いに注意しましょう。
「信用情報機関」とは、加盟金融機関が利用者の取引履歴などの情報を共有する団体です。
日本には3つの機関があります。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC):おもにクレジットカード(信販)会社が加盟
- 株式会社日本信用情報機構(JICC):おもに消費者金融が加盟
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC):おもに銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟
「事故情報」とは、個人再生・自己破産・任意整理・返済滞納といった、借金返済能力が不十分であることを示す情報をいいます。
ブラックリストについては、以下の記事で詳しく解説しています。
官報掲載のために官報公告費用がかかる
個人再生では、3回の官報掲載に合計13,744円の官報広告費がかかります(裁判所によって金額が異なるケースもあります)。
官報広告費は、個人再生申立て時に予納金として裁判所に納め、裁判所から国立印刷局に支払われます。
個人再生の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
住宅ローンなどの審査に影響が及ぶこともある
個人再生が官報に載ることで、住宅ローンなどの審査に影響が出る可能性もあります。
そもそも、個人再生を行うと信用情報機関がその事実を事故情報として登録し、事故情報が登録されている約5〜7年の間、金融機関のローン審査には通らなくなってしまいます。
原則として、事故情報の登録期間が過ぎた後は、ローンの審査には通るようになります。
しかし、事故情報の登録期間後も、過去の官報で事故情報を調べる金融機関もあるといわれています。
過去の事故情報も、金融機関にとっては、本人の返済能力を疑わせるものだからです。
個人再生後に住宅ローン審査に通っている方もいるので、すべての金融機関がこのような審査を行うわけではありませんが、可能性としてはゼロではありません。
個人再生後の住宅ローン審査ついて詳しくは以下の記事を参照ください。
個人再生で官報に載った情報はいつまで閲覧可能?
個人再生で官報に載った情報が見られる期間は、閲覧方法によって異なります。
- 紙版の官報:掲載は発行日分のみ
- 無料のインターネット版官報:直近90日分が読める
- 官報情報検索サービス:半永久的に閲覧可能
それぞれについて見ていきましょう。
紙版の官報への掲載は発行日分のみ
紙版官報に個人再生が載るのは、「個人再生をして官報に掲載されるタイミングはいつ?」で紹介した3回のみです。
紙版官報は、発行日の午前8時30分、国立印刷局と東京都官報販売所に掲示されます。
個人再生が載った紙版官報を入手できるのは、原則として発行日のみです。
国立国会図書館や市区町村図書館では、発行から数年間、紙版官報を所蔵していることもあります。
ただし、紙版の官報は毎日更新され、分量も多いため、周囲の人がたまたまめくっていてバレる、というケースは考えづらいでしょう。
無料のインターネット版官報では直近90日分が読める
インターネット版官報は、紙版官報をPDFにしたものです。
紙版官報の発行日にインターネット版も配信され、直近90日分を無料で見ることができます。
ただ、日付や氏名による検索ができないため、特定の個人再生を探すのは難しいでしょう。
官報情報検索サービスでは半永久的に閲覧可能
官報情報検索サービスは、有料会員制ですが、昭和22年5月3日からの官報をすべて見ることができ、日付や氏名による検索も可能です。
官報情報検索サービスを使うのは、官報チェックが欠かせない、ごく一部の会社や団体だけだと考えられます。
一部の図書館で利用が可能なケースがありますが、場所は限られているので
「金融業などでもない知り合いがたまたま官報情報検索サービスを使っていたら個人再生がバレた」
というケースは少ないでしょう。
官報に掲載されない借金問題の解決方法はある?
債務整理の一つである任意整理は、官報に載りません。
任意整理とは、お金の貸主である債権者と直接交渉して、返済プランを立て直す手続きです。
裁判所を介した手続きではなく、公告の必要がないため、官報に載りません。
任意整理では、多くの場合、将来の利息を減額または免除したうえ、3~5年で分割完済する和解を目指します。
元金や過去の利息は減額免除されないため、借金の減額幅は個人再生より小さめです。
自分が任意整理に適しているかどうか迷ったら、弁護士に相談しましょう。
任意整理については以下の記事で詳しく解説しています。
個人再生を考えたら弁護士に相談を
個人再生を考えたら、まず弁護士に相談しましょう。
個人再生を弁護士に相談するメリットは、次の3つです。
- 官報に載らない債務整理方法で借金問題を解決できるかアドバイスしてもらえる
- 弁護士から債権者への受任通知送付によって督促が止まる
- 個人再生の手続きの多くを任せられる
弁護士法人・響では、無料で相談をお受けしています。
借金と官報の関係など、気になる点があれば、遠慮なくご相談ください。
ここでは、個人再生を弁護士に相談するメリットを詳しく解説します。
官報に載らない債務整理方法で借金問題を解決できるか相談できる
前述のとおり、官報に載らない債務整理として、任意整理があります。
任意整理には、将来の利息を減額または免除した後、3~5年で完済できる見込みが必要です。
こうした見込みの判断には、専門的な知識と実務経験が必要だといえます。
弁護士に相談すれば、専門的な知識と経験に基づき、個人再生を選ぶべきか任意整理を選ぶべきかの的確なアドバイスがもらえるのです。
受任通知で債権者からの督促や取り立てが止まる
個人再生を依頼された弁護士は、債権者に対して速やかに受任通知を送ってくれます。
「受任通知」とは、個人再生などの債務整理を依頼された弁護士や司法書士が、「債務者(お金を借りている側)の代理人として手続きを進めること」を債権者に知らせる通知です。
受任通知については以下の記事で詳しく解説しています。
貸金業者は、弁護士や司法書士から受任通知を受け取ると、法律により、債務者への督促ができなくなります(貸金業法21条)。
債権者が受任通知受領後に督促をすると、罰金や業務停止といった処分が科されます。
個人再生の手続きの多くを任せられる
個人再生は、裁判所・債権者・債務者が関わる複雑な手続きで、書類のやり取りも多く、終了まで1年以上かかることもあります。
弁護士に依頼すれば、多くの手続きを代理で行ってもらえるので、債務者の負担を大きく減らせます。
- 個人再生をすると官報に載りますが、個人再生の事実が官報に載っても周りにバレることは少ないといえます。ただし例外はあります。
- 個人再生が官報に載ることのおもなデメリットは以下4つです。
・周囲に保険業や金融業に携わっている人がいる場合は官報から個人再生を知られる可能性もある
・闇金業者からダイレクトメールが届くことがある
・官報公告料を負担しなければならない
・住宅ローンなどの審査に通りにくくなる - 任意整理であれば、官報に載ることなく借金を整理できるため、官報に掲載されるデメリットが大きい場合、まず弁護士にアドバイスをもらうとよいでしょう。弁護士法人・響では債務整理に関する無料相談を受け付けているので、利用をご検討ください。
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