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銀行の借金で時効成立はできる?必要な条件と避け難いリスクを確認

島村 海利
監修者:弁護士法人・響 弁護士
島村 海利
  • 弁護士会所属:第二東京弁護士会 第52828
  • 出身地:高知県
  • 出身大学:香川大学法学部卒 九州大学法科大学院卒
  • 保有資格:弁護士、2級ファイナンシャルプランニング技能士(FP2級)
  • コメント:人に対する温かいまなざしを持ち、ご依頼者の話をよく聞き、ご依頼者様に寄り添える弁護士になれるよう日々努めています。
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銀行の借金にも時効はあるの?
銀行の借金で時効成立させるための条件は?

銀行からの借金をしばらく返済しておらず、請求もまったく来ていなければ消滅時効が狙えるかもしれません。

確かに消滅時効が成立すると、借金の返済義務はなくなります。
しかし銀行の借金で時効を成立させるなんて、本当に可能なのでしょうか。

そこでこちらの記事では、

  • 銀行の借金にも時効はある
  • 借金の時効が成立する条件は?
  • 借金の時効はハードルが高い
  • などについて解説します。

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    銀行からの借金にも消滅時効はある

    消滅時効が成立すると、債務者は借金の返済義務が法的になくなります。
    消滅時効はどの借金についても同様に適用されるので、銀行からの借金でも消滅時効は成立します。

    消滅時効が成立するには5年または10年の経過が必要です。

    2020年4月に民法が改正されるまでは、商業目的で貸金業を営んでいる事業者の場合は消滅時効が5年で、商業目的ではなく融資を行っている事業者の場合は消滅時効が10年でした。
    銀行は融資したお金にかかる金利を収入源とする金融業なので、消滅時効は5年でした。
    信用金庫や住宅金融支援機構などは商売として融資しているわけではないので、消滅時効が10年とされていました。

    ただし2020年4月の民法改正により、この「商業目的かどうか」で分ける考え方が変わり、基本的に金融機関からの借金はすべて5年の時効期間に統一されました。
    銀行からの借金は、法改正以前から5年が消滅時効の成立期間なので、法改正による変更は特にありません

    借金の消滅時効のカウント方法

    銀行に限らず借金は5年または10年で消滅時効が成立します。
    では、消滅時効の期間はどの時点から数え始めたらいいのでしょうか。

    多くの債権で消滅時効が5年になった2020年4月以降の借金

    2020年4月の法改正以降の借金では、次のいずれかの起算点で5年か10年かを決めることになります。

  • 主観的起算点:債権者が権利の行使をできることを知った時から5年
  • 客観的起算点:債権者が権利を行使することができる時から10年
  • つまり、債権者が権利を行使できることを知っているかどうかがポイントとなります。
    借金の場合、金融機関は債務者に対して借金の返済期日を設けて契約するのが一般的です。
    債権者は借金返済を請求できる権利を知って貸すわけですので、どの金融機関であっても、消滅時効の成立は5年となります

    借金の時効期間は、返済期日を経過した日からカウントされます。

    債権によって時効が違った2020年3月までの借金

    法改正される前である2020年3月までの借金では、消滅時効の成立期間は借金をした金融機関により次のように異なっていました。

  • 消滅時効5年:銀行、消費者金融
  • 消滅時効10年:信用金庫、住宅金融支援機構、奨学金、信用保証協会
  • これら金融機関の分け方は、借金の貸主が商業目的であるかどうかによって判断されていましたが、2020年4月の法改正によって廃止されました。
    商業目的かどうかで時効の成立期間に違いを設けることには合理的理由がなく、実態ともそぐわなかったためです。

    ここで注意しなければならないのは、消費者金融や銀行は法改正に関わらず元々消滅時効が5年と変更はありませんが、それ以外の金融機関では法改正によって消滅時効が10年から5年に変わったことです。
    改正後の5年が適用されるのはあくまで2020年4月以降に契約した借金であり、2020年3月以前の借金は消滅時効が10年のままなので、注意が必要です。

    銀行からの借金で時効成立ができる条件

    銀行の借金で消滅時効が成立するためには、時効の更新がないまま5年経過する必要があります。
    時効の更新とは、時効期間のカウントをリセットされ、またゼロからカウントを始めなければならないことです。

    銀行に時効の更新をされていない

    消滅時効が成立するためには、銀行から時効を更新するための手続きを取られていないことが条件の一つです。

    時効を更新するために銀行が取る手段には次のようなものがあります。

  • 裁判などの法的な訴えや支払い督促
  • 差し押さえなどの強制執行
  • 担保権の実行
  • 銀行が裁判所を介して法的に借金返済の請求をした場合、また差し押さえなどの強制執行などの手続きを行った場合は時効が更新されます。
    高額な借金をする場合には担保を設定するのが一般的ですが、担保物件を競売にかけるなどの担保権の実行も時効更新の条件となります。

    これらの手続きを銀行に取られると、時効の進行はリセットされ、またゼロからのカウントになると考えていいでしょう。

    債務者が借金を認めた行動を取っていない

    借金をした債務者が、借金があることを認める行動(債務の承認)を取っていないことがもう一つの条件です。
    借金を認める行動とは、具体的には次のようなことです。

  • 借金の一部を1円でも返済した
  • 借金があることを承認する署名や発言をした
  • 従来通りの請求額に満たなくても、1円であっても借金を返済すると時効は更新されます。
    また、「返済するつもりだ」とか「返済を待ってほしい」など借金の存在を認める署名や発言によっても、時効期間のカウントをリセットされてしまいます。

    時効の援用の手続きをしている

    時効期間が経過したら、時効の援用の手続きをする必要があります。
    時効期間が経過したからといって、自動的に時効が成立して借金返済の義務がなくなるわけではありません

    時効の援用とは、消滅時効が成立したことを債権者に伝えることです。
    法律上は口頭でも時効の援用はできますが、「言った」「言わない」の水掛け論になる可能性があるので、証拠を残すために内容証明郵便などを利用するのが一般的です。

    借金で消滅時効を狙うリスクは極めて大きい

    銀行の借金で消滅時効を成立させるのは、実際かなり難しいのが現実です。
    また、消滅時効を狙うこと自体にも、次のように様々なリスクが伴います。

    銀行による時効の更新はほぼ防げない

    銀行が時効の更新をすることは、借金をしている債務者にはほぼ防げないと言っていいでしょう。

    そもそも消滅時効とは、債務者の返済義務がなくなることではなく、債権者が債務者に対して借金の請求ができなくなることを意味します。
    つまり、消滅時効が成立するかどうかは、債務者ではなく債権者の行動にかかっているとも言えるのです。

    借金の返済や承認は債務者自身でコントロールが可能ですが、銀行による時効の更新は債務者がコントロールすることはできません。
    信用が第一の銀行にとって債務者に時効を許すことは会社の社会的信用に関わるため、何も手段を講じられずに5年経過できる可能性は非常に低いと言えます。

    債務者の債務の承認も避けにくい

    債務者自身でコントロールできるはずの債務の承認も、実際はかなり難易度の高いものです。
    銀行は時効の更新のために様々な手段を用意しています。

    例えば、借金の督促で銀行から連絡があった際、借金返済が困難なことを銀行の担当者は親身になって相談に乗ってくれて、「数千円でもいいので支払えませんか」といった提案をしてくることがあります。

    中には「それくらいなら払えるな」と考えて提示された金額を返済する人がいるかもしれません。
    たとえ実際に返済をしなくても、「来月には支払います」など返済する約束をすることもあるでしょう。

    このように、大きな負担を感じずにできる行動ですらも時効の更新となってしまいます。
    債務者が銀行とのやりとりに気をつけていても、債務の承認を避けるのはかなり難しいと言えます。

    時効成立を待つ間も借金は増えている

    時効成立を待つ間は借金が増えていることにも、注意が必要です。

    時効成立を待つということは、借金を滞納しつづけることを意味しています。
    借金を滞納すると、日割り計算で遅延損害金が発生します。

    もし時効が成立せずに借金を返済しなければならなくなると、借金の元金と利息に加えて、これまで滞納を続けた分の遅延損害金も支払わなければならなくなるのです。

    時効の援用でブラックリスト状態になる場合もある

    時効の援用をすると、信用情報機関でブラックリスト状態になる場合があります。
    時効の援用の扱いについては、3つある信用情報機関によって次のように対応が異なります。

  • JICC(日本信用情報機構):すぐに登録情報は削除する
  • CIC(シー・アイ・シー):5年後に登録情報を削除する
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター):すでに登録情報は削除されている
  • つまり、CICでは借金の時効の援用後5年間は事故情報として登録されていることになります。

    ブラックリスト状態になると、信用情報機関から事故情報が削除されるまでの間はクレジットカードやローンの利用ができなくなります。

    時効の判断は弁護士に相談した方が賢明

    銀行の借金を時効にできるかの判断は、弁護士に相談することをおすすめします。
    借金の時効を弁護士に相談することで、次のようなメリットが得られます。

  • 難しい時効成立の判断をしてもらえる
  • 時効の援用の手続きをサポートしてもらえる
  • 時効が成立しなかったときの借金解決法を提案してもらえる
  • 時効の成立期間の判断や援用の手続きには慎重さが求められます。
    もし時効期間が経過する前に時効援用の手続きをすると、銀行の心証を悪くして、裁判上の請求による時効の更新を促してしまう可能性があります。
    借金で時効を検討しているときは、弁護士に相談しながら手続きを進めるといいでしょう。

    もし時効が成立しそうにない場合は、時効以外で借金を解決する代表的な方法として債務整理が考えられます。
    債務整理をすれば、借金の減額や免除で負担を大きく軽減することが可能です。

    ただ、債務整理には豊富な法律の知識と経験が必要であり、裁判所が関わる手続きも大変な手間がかかるため、個人で進めるのは困難です。
    弁護士に債務整理を依頼すると手続きの代理をしてもらえるので、書類を揃える手間や時間を省くことができ、早期解決を図ることができます

    まとめ

    消滅時効とは、一定期間が経過することで借金返済の義務が法律上なくなることです。
    消滅時効は銀行の借金でも適用され、時効期間は5年です。

    ただし銀行の借金で時効を成立させるのは非常に難しく、5年間借金の返済や承認をしないことだけではなく、銀行から時効の更新をされないことも条件となります。
    遅延損害金の発生やブラックリスト入りなど、消滅時効を狙いに行くこと自体にもリスクが伴います

    それでも消滅時効を狙いたい、または他の解決策を検討したい場合は弁護士に相談しましょう。
    消滅時効を成立させるためのサポートだけではなく、それ以外の方法についても適切なアドバイスをしてもらえます。

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