「生活保護を受給したいけど、借金があっても申請できるのかな」
「コロナ禍で失業して、借金を負ってしまった…。生活保護を受けたら返済しなくてもいい?」
生活保護の受給を検討している方の中には、日々の生活のために借金をしてしまったという方もいるでしょう。
結論からいうと、生活保護は借金があっても申請することができます。
しかし、生活保護を受けたとしても、いわゆる“借金の踏み倒し”はできません。
借金の返済義務は残り、督促などは続くでしょう。
また、生活保護費から借金を返済すると、生活保護の打ち切りにつながるリスクがあります。
そこで、この記事では、次の項目について解説していきます。
- 生活保護を受給するとそれまでの借金はどうなるのか
- 借金がある状態で生活保護を受けたら何をするべきなのか
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- 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
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目次
生活保護は借金がある場合も申請可能│生活保護の受給の条件とは?
借金をしている状態でも、生活保護を申請することはできます。
生活保護の受給条件は、生活保護法で以下のとおりに定められています。世帯全員が条件を満たす必要がありますが、借金の有無に関する項目はありません。
- 預貯金や土地などの財産を持っていない
生活保護法の第4条1項で、生活保護を受給する条件として、「預貯金や土地などの財産を所有していないこと」が定められています。
預貯金に関しては、最低生活費の半額以下であれば、所有が認められます。 - 家族や親族などから支援を受けられない
生活保護法第4条2項によって、「身内からの援助は生活保護よりも優先される」と定められています。
生活保護の担当者が3親等以内の親族に書面で扶養調査を行い、援助してくれるであろう家族や親族がいる場合は、生活保護を受けられません。 - 働けずに収入を得られない状況にある
病気やケガなどが理由で働けずに収入がゼロの状態の人も、生活保護の対象になります。生活保護法第4条1項に定められている事項です。
働いていたとしても、毎月の給与が最低生活費より低い場合は、生活保護の受給が認められることがあります。
このケースでは、最低生活費に不足している部分を生活保護費で補う形の受給が行われます。
参考:生活保護制度に関するQ&A│厚生労働省なお、最低生活費の算出方法は、厚生労働省が以下のページで提示しています。
受給時の目安として参考にしてください。
参考:【生保基準】最低生活費の算出方法(R4.4 )│厚生労働省
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
生活保護を受給すると借金はどうなる?差押えの可能性も
生活保護を受給すると、それまでにつくってしまった借金や、その取り立てはどうなるのでしょうか。
ポイントは以下の2つです。
- 借金の返済義務は残り、取り立ては続く
- 生活保護費が預金口座にある場合は、差し押さえられてしまうことも
これらについて、次の項目から解説していきます。
借金の返済義務は残り、取り立ては続く
生活保護を受給しても、借金の返済義務がなくなるわけではなく、いわゆる踏み倒しはできません。
生活保護には、債権者(お金を貸した側)と債務者(お金を借りた側)の間の金銭消費貸借契約を解除したり、債務者の借金返済の義務を免除したりする効力はないためです。
生活保護の申請が通り、受給が始まっても、借金を滞納している場合は取り立てが続きます。
借金の取り立てについては以下の記事で詳しく解説しています。
なお、生活保護を受けている状態で借金を返済すると、不正受給と見なされるので注意しましょう。詳しくは後述します。
生活保護費が預金口座にあるときは差し押さえられてしまうことも
借金を滞納し続けると、債権者によって裁判所に申立てが行われ、差押えで債権額分の財産を回収されてしまう可能性があります。
生活保護費が預金口座に振り込まれている場合、滞納している借金分が差し押さえられてしまうこともありえるので、注意が必要です。
本来、生活保護費は生活保護法第58条によって「差押禁止債権」に指定されているため、差押えの対象にはなりません。
しかし、預貯金は差押えの対象になります。
つまり、生活保護費であっても、預金口座に振り込まれた時点で預貯金となるため、差し押さえられる可能性が出てしまうのです。
このような状況への対処法としては、生活保護費分の差押え解除を裁判所に申し立てる「差押禁止債権の範囲変更の申立て」が挙げられます。

差押えによって生活が成り立たなくなる場合、差押えの範囲を変更(減縮)することを裁判所に申請する手続きのことです。
しかし、差押えは複数回行われることがあります。そのたびに申立てを行っていては、生活の立て直しに注力しづらくなるでしょう。
生活保護受給中の差押えを根本的に回避・解決する方法は、多くの場合「自己破産」となります。
自己破産とは、裁判所に申立てを行い、正当に借金の返済義務を免除してもらう方法です。
詳しくは後述します。
差押えについては、以下の記事で詳しく解説しています。
生活保護受給後の返済・新たな借入れはNG│バレると打ち切りも
生活保護受給中に借金の返済を行ったり、新たに借り入れたりすると、不正受給と見なされてしまう場合があります。
そうなると、生活保護を打ち切られてしまうことがあるので、注意が必要です。
不測の事態で生活保護費が足りなくなった際の対処法もふくめて、以下で解説します。
生活保護受給中に借金返済すると不正受給に
生活保護費での借金返済は、不正受給に該当する可能性があります。
生活保護費で扶助されるのは以下の費用に限られ、借金返済のために支給されているわけではないからです。
- 日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費等)
- アパート等の家賃
- 義務教育を受けるために必要な学用品費
- 医療サービスの費用、介護サービスの費用
- 出産費用
- 就労に必要な技能の修得等にかかる費用
- 葬祭費用
生活保護受給中の借入れは「収入」になる
また、生活保護の受給中に借入れを行うと、その借入れは「収入」と見なされます。
収入が増えたとなれば、当然もらえる生活保護費は減額されます。
減額を避けるために借入れを行ったことを福祉事務所に隠したまま生活保護を受給し続けると、不正受給と見なされてしまいます。
なお、福祉事務所は、生活保護受給者と取り引きのある金融機関を調査することができます。
そのため、生活保護受給中の返済や借入れを、福祉事務所にバレずに行うことはできないと考えた方がよいでしょう。
原則として、生活保護受給者は、生活保護費の中で日々の生活をやりくりすることが求められます。
その状態で借入れが必要になるような場合は、家計を見直さなければならないでしょう。
借り入れてしまう前に、自治体のケースワーカーに相談を
「予想外のことが起こって、どうしても受給している生活保護費だけでは生活が立ちゆかなくなってしまった」という場合は、借り入れる前に自治体のケースワーカーに相談してみましょう。
以下のようなケースであれば、「生業扶助及び一時扶助」を受けられる可能性があります。
- 出生、入学、入退院などで臨時的にお金が必要になった場合
- 長期の入院などで臨時的にお金が必要になった場合
- 新たに生活保護を受給し始めた際などに、最低限の生活の基盤となる物資を欠いている場合
参考:生業扶助及び一時扶助について - 厚生労働省
生活保護費だけでは足りなかったとしても、「ヤミ金」に手を出すことは絶対に避けましょう。
「生活保護受給中でも借入れできる」とうたっている業者もありますが、結果的に法外な高い金利でお金を貸し付けられてしまったり、犯罪に巻き込まれたりする可能性があるからです。
生活保護受給時に借金がある場合は自己破産が必要?生活への影響とは
「生活保護を受給している(もしくは受給したい)が、借金がある」という場合、多くのケースで「自己破産」が借金問題解決の選択肢となります。
「自己破産」とは、借金問題を正当に解決する「債務整理」という方法の一つです。裁判所に申し立てることで、一部の非免責債権(税金、社会保険料など)を除いた債権のすべてが免責(支払い義務の免除)される手続きです。
「自己破産」は、債務整理の中でも減額幅が大きい手段だといえます。
債務整理には「自己破産」以外にも「任意整理」「個人再生」があります。
それぞれでできることの違いを、表でまとめました。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|---|
裁判所の手続き | 不要 | 必要 | 必要 |
減額の内容*1 | 将来利息などを減額できる可能性がある | 借金を1/5~1/10程度に圧縮できる可能性がある | ほぼすべての借金が返済免除になる |
元金の減額 | ない | ある | ある |
返済の必要 | ある (3~5年で返済) |
ある (原則3年で返済) |
原則なし |
弁護士に依頼が必要か | 弁護士に依頼することが一般的*2 | 弁護士に依頼することが一般的*2 | 弁護士に依頼することが一般的*2 |
*1 必ずこのとおりに減額できるわけではありません。
*2 自分で行うことも可能です。
生活保護の受給を検討している段階、もしくはすでに受給している時点での「自己破産」は、以下のようなポイントがあります。
- 生活保護受給時は、少額の借金でも「自己破産」が必要なことが多い
- 生活保護が受給可能な状態の場合、「自己破産」の影響は比較的小さい
債務整理については、以下の記事で詳しく解説しています。
生活保護受給時は、少額の借金でも自己破産が必要なことが多い
上記のとおり、生活保護費での借金返済はできません。
そのため、生活保護受給時の債務整理には、ほとんどのケースで「自己破産」が適しているといえます。
上の表でまとめたとおり、「自己破産」を行うと、原則として返済の必要がなくなるからです。
通常、少額の借金であれば、「自己破産」以外の債務整理の方法を取ることが多いといえます。
「任意整理」や「個人再生」は安定した収入があることを前提にしていますが、生活保護の受給を考えていたり、生活保護の受給中だったりする場合は、生活の保持に必要な収入が得られていないケースがほとんどです。
よって、借金の額にかかわらず「自己破産」を選ぶのが一般的なのです。
生活保護が受給可能な状態の場合、自己破産の影響は比較的小さい
借金の減額幅の大きい「自己破産」は、生じるデメリットも少なくありません。
しかし、生活保護の受給条件を満たしている場合、「自己破産」による生活への影響は比較的小さいといえるでしょう。
生活保護の受給が必要な方は、すでに財産などを所有していないことが多いからです。
ただし、注意すべき点もあるので、「自己破産」のおもなデメリットを見ていきましょう。
- 一定以上の財産は回収されてしまう
→生活保護の受給は、基本的に財産を所有していないことが条件となります。
ただし、生活保護の受給時点では、財産の回収による影響はほとんどないといえるでしょう。 - クレジットカードやローンの利用、契約が一定期間できなくなる
→生活保護の受給は、生活に必要な収入がないことが条件となります。
「自己破産」を行う前からクレジットカードやローンを利用できない場合も多いため、デメリットとはいえないでしょう。 - 賃貸契約時の審査に影響が出ることがある
→生活保護の受給者は、賃貸契約時に市役所や区役所の許可が必要です。
主に家賃を抑えた生活保護受給者向けの物件などを検討することが多く、審査が問題になることは少ないといえます。 - 借金の保証人、連帯保証人が一括返済を求められる
→保証人、連帯保証人を立ててお金を借り入れていた場合、一括返済の請求が保証人または連帯保証人に送られます。
生活保護とは関係のないデメリットなので、留意すべきポイントだといえるでしょう。
場合によっては、保証人や連帯保証人が債務整理を行う必要が出てくるケースもあります。 - 破産手続の期間中、引越し、海外渡航、一部の職業や資格の制限を受ける
→生活保護受給の条件は、生活に必要なお金を稼ぐことが困難な状態にあることです。
そのため、転居や渡航、職業や資格の制限が生活に支障をきたすことは少ないと考えられます。 - 官報に氏名や住所が掲載されてしまう
→「自己破産」を行うと、国の広報誌である「官報」に個人情報が掲載されます。
しかし、これは基本的に一般の人が見るものではないので、周囲に借金や「自己破産」の事実がバレることはほとんどないでしょう。
自己破産のデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
自己破産ができる条件とかかる費用は?
ほとんどの借金を全額免除できる「自己破産」には以下のような条件があります。
- 返済の支払いが不能な状態であること
- 借金の理由が「免責不許可事由」に当たらないこと
- 借金が「非免責債権」に当たらないこと
また、手続きには通常30万円以上の費用が発生します。
ただし、生活保護の受給中であれば、その費用を免除してもらえることもあります。
次の項から、条件と費用について詳しく解説していきます。
自己破産ができる条件は大きく3つ
「自己破産」の条件を大きく分けると、次の3つが挙げられます。
- 返済の支払いが不能な状態であること
- 借金の理由が「免責不許可事由」に当たらないこと
- 借金が「非免責債権」に当たらないこと
それぞれの条件について、見ていきましょう。
自己破産の条件については、以下の記事で詳しく解説しています。
返済の支払いが不能な状態であること
「自己破産」は、抱えている借金を返済する見通しが立たない状態でないと認められません。
返済できない状態にあるかどうかは、裁判所によって判断されますが、生活保護を受給する人であれば、通常この条件は満たしていると考えられるでしょう。
借金の理由が「免責不許可事由」に当たらないこと
「自己破産」では、特定の行為を行っていると免責が認められない「免責不許可事由」が定められています。
たとえば、下記のような行為が該当する可能性があります。
- ギャンブル、株式投資、浪費などが原因で多額の借金を負った
- 意図的に財産を隠して「自己破産」を申し立てた
- 特定の債権者にだけ優先して返済を行った
- 返済する意思がないのに「自己破産」を前提に借り入れた
- 裁判所に事実とは異なる説明を行った
- 前回の「自己破産(免責)」から7年以内に再度「自己破産(免責)」を申し立てた
ただし「免責不許可事由」に該当しても、裁判所が「致し方ない」と判断すれば、裁量免責によって免責が認められるケースもあります。
現在の状態で免責が認められるかどうかは、弁護士などの法律の専門家に確認するとよいでしょう。
免責不許可事由については以下の記事で詳しく解説しています。
「免責不許可事由」に当てはまることが疑われる場合、「自己破産」の手続きの中でも期間や費用がかかってしまう「管財事件(少額管財事件)」の手続きの必要があることを覚えておきましょう。
- 同時廃止事件
破産手続の開始と同時に、手続きを廃止(終了)すること。
「自己破産」を申し立てた本人(申立人)に財産がなく、「免責不許可事由」がないことが明らかな場合に取られる手続きです。 - 管財事件(少額管財事件)
裁判所が破産管財人を選任して破産者の財産を調査・処分し、債権者に配当する手続き。
申立人に一定以上の保有財産がある、「免責不許可事由」に当てはまる可能性を調査する必要がある、などの場合に取られる手続きです。
同時廃止事件と管財事件についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
借金が「非免責債権」に当たらないこと
「自己破産」を行ったとしても、以下のような「非免責債権」は免責されません。
- 税金
- 健康保険料
- 国民年金保険料、厚生年金保険料
- 下水道料金
- 養育費
- 一部の損害賠償金 など
非免責債権については以下の記事で詳しく解説しています。
ただし、生活保護受給者であれば、住民税や固定資産税、都市計画税、個人事業税、軽自動車税、国民年金保険料などを減額、免除できる制度を用意している自治体は多く存在します。
生活保護を申請する際に、自治体の窓口で確認するとよいでしょう。
自己破産の費用は30万円〜が目安
「自己破産」の費用は、30万円以上はかかると考えましょう。
「自己破産」は弁護士に手続きを依頼し、裁判所に申し立ててもらうのが一般的で、裁判所費用と弁護士費用という2つの費用が発生します。
同時廃止事件と管財事件(少額管財事件)では金額が異なり、内訳は以下のようになっています。
同時廃止事件の場合 | 管財事件(少額管財事件)の場合 | |
---|---|---|
裁判所費用 (予納金) |
約1~3万円 | 約20〜50万円 (個人の自己破産であれば20万円程度に抑えられることが多い) |
弁護士費用 | 約30〜50万円 | 約30〜80万円 |
総額 | 約30〜50万円 | 約50~130万円 |
自己破産の費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
生活保護受給中の自己破産は、法テラスを通せば費用免除の可能性がある
上記の自己破産費用は、支払いが難しい場合も多いでしょう。
そこで法テラス(日本司法支援センター)を利用することで自己破産の費用を免除してもらえる可能性があります。
法テラスでは経済的困難がある人を対象とした法律支援「民事法律扶助」を行っています。
これは、弁護士費用を無利息で立て替えてくれるもので、通常であれば、立て替え費用を月々5,000~1万円ずつ返済していくことになります。
しかし、生活保護を受けている人は、立て替え費用の返済の猶予が認められています。
また、生活保護受給者は、弁護士費用だけでなく裁判所費用(予納金)も上限20万円まで、立て替えてもらうことができます。
自己破産の手続きを終えた時点でも生活保護を受給していれば、立て替えてもらっていた弁護士費用、裁判所費用の支払い免除を申請することが可能です。
生活保護をまだ受給していないタイミングでも、一定の条件を満たせば、立て替え費用の返済の猶予または免除が認められる可能性があります。
参考:生活保護を受給していない方の償還免除申請について|法テラス
自己破産の手続きの流れ│生活保護申請とどちらを先に行う?
「自己破産」の手続きには、「同時廃止事件」「管財事件(少額管財事件)」の2種類があります。
それぞれの流れと、生活保護申請と自己破産手続きのどちらを先に行うのがよいかを解説します。
同時廃止事件・管財事件(少額管財事件)の流れ
「同時廃止事件」にかかる期間は破産の申立てから3~4ヶ月程度、「管財事件」は破産の申立てから3ヶ月〜1年程度が目安となっています。
生活保護受給中であれば、借金の理由や経緯に問題ありと見なされない限り「同時廃止事件」になることが多いでしょう。
それぞれの手続きの流れを紹介します。
かかる期間 | やること・手続き |
---|---|
依頼、相談から、即日~数日程度 | 弁護士・司法書士に相談・依頼→受任通知を債権者に送付 |
依頼、相談から、3ヶ月〜1年程度 | 申立て書類の作成→裁判所に自己破産の申立て |
申立て後、約1ヶ月程度 | 裁判所で破産審尋を受ける |
破産審尋後、即日〜約1週間程度 | 同時廃止事件を決定、破産手続の開始決定・終了 |
破産手続開始後、2~3ヶ月程度 | 意見申述期間→債権者集会・免責審尋→免責確定 |
かかる期間 | やること・手続き |
---|---|
依頼、相談から、即日~数日程度 | 弁護士・司法書士に相談・依頼→受任通知を債権者に送付 |
依頼、相談から、3ヶ月〜1年程度 | 申立て書類の作成→裁判所に自己破産の申立て |
申立て後、約1ヶ月程度 | 裁判所で破産審尋を受ける |
破産審尋後、即日〜約1週間程度 | 管財事件を決定、破産手続の開始決定とともに破産管財人が選任される |
破産手続の開始決定後、1~3ヶ月程度 | 破産管財人による財産の調査・清算 |
財産の調査・清算後、1ヶ月~半年程度 | 債権者集会・免責審尋→免責確定 |
免責確定後、2週間程度 | 免責許可決定 |
自己破産の申立てと生活保護申請はどちらが先でも基本的には問題ない
「自己破産」と生活保護の申請は、同時に行うケースも多く存在します。どちらを先にしても問題ありませんが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 税金を滞納している場合、一時的に免除されて自治体などからの差押えを回避できる
- 法テラスを利用すれば「自己破産」の費用の免除を受けられる可能性が高い
- 「自己破産」の手続き中の生活費を確保しやすい
- 生活保護の申請時、ケースワーカーから「自己破産」を先にするよう求められる場合がある
- 生活保護の申請後、引き落としなどで生活保護費から借金を返済し、不正受給に該当してしまう可能性がある
メリット
デメリット
- 引き落としなどで生活保護費から借金を返済してしまい、不正受給と見なされて生活保護が打ち切られるリスクがなくなる
- 差押えなどの可能性がない状態で生活保護を受けられる
- 「自己破産」では税金は免責されないため、税金を滞納している場合は、自治体に差押えなどの滞納処分を執行される可能性がある(生活保護受給前でも税金の減免制度が利用可能な場合もある)
メリット
デメリット
状況によって適した順序は異なるので、「自己破産」の手続きを依頼する弁護士や、自治体のケースワーカーに相談して決めるのがよいでしょう。
自己破産と生活保護の申請の順序については、以下の記事でも詳しく解説しています。
自己破産を弁護士に相談した方がよい3つの理由
弁護士に「自己破産」の手続きを依頼することで、次の3つのメリットを得られます。
- 手続きの多くを代理人として行ってもらえる
- 督促や取り立てをすぐに止めてもらえる
- 状況に合わせたサポートをしてもらえる
それぞれのメリットについて、次の項から解説していきます。
手続きの多くを代理で行ってもらえる
「自己破産」の申立ての手続きは、一般の方にとっては難しい部分が多々あります。
弁護士に依頼すると、書類作成から裁判所への申立てまで、日常生活ではふれることがないような手続きを代理で行ってもらえます。
「自己破産」を行う際の負担を、大きく減らすことができるでしょう。
なお、司法書士にも債務整理を依頼することは可能ですが、以下のような制限があります。
- 司法書士は依頼人の法定代理人になれないため、裁判所への申立ては依頼人が自ら行う必要がある
- 請け負うことができる借金額が140万円までに限られる(司法書士法第3条)
負担を軽減しながらスムーズに「自己破産」を行いたい場合は、弁護士に相談した方がよいでしょう。
督促や取り立てを止めてもらえる
弁護士は依頼人から「自己破産」の手続きを依頼されると、「受任通知」を債権者に送ります。
「受任通知」とは、弁護士が債務者の代理人になったこと、債務整理を行うことを債権者に伝える書類です。
債権者は、「受任通知」を受け取った時点から「自己破産」の手続きが終わるまで、督促や取り立てを止めなければいけません。
これは、貸金業法第21条で定められています。
(取立て行為の規制)
第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
九 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
督促や取り立てに悩まされている方は、早めに弁護士に相談するとよいでしょう。
受任通知については以下の記事で詳しく解説しています。
状況に合わせたサポートをしてもらえる
弁護士は、債務整理の手続きを行うだけでなく、広範囲の法律知識、過去の経験から得たノウハウを持っています。
多くの借金相談を解決してきた弁護士であれば、依頼人の状況に合った解決法、生活の立て直し方を提案してくれる可能性が高いといえます。
相談者の状況によっては、「自己破産」と公的支援制度を併用することで生活を立て直せる場合もあるでしょう。
借金の問題だけではなく、生活環境などもふくめたさまざまな角度から、依頼者に適した解決方法でサポートしてくれることが期待できます。
無料相談を受け付けている弁護士事務所も多くあります。
借金がある状態で生活保護の受給を検討しているのであれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
現状を伝えることで、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
自己破産を弁護士へ依頼するときのポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
生活保護は、借金があっても受給できます。
ただし、以下のことに注意しましょう。・生活保護を受給しても、借金の返済義務は残る
・生活保護受給後に借金の返済や新たな借入れを行うと、不正受給と見なされ、生活保護を打ち切られることもある生活保護を受給すると借金返済が難しくなるため、多くのケースで少額の借金でも「自己破産」が必要になるといえます。
「自己破産」とは、借金問題を正当に解決する債務整理の一つです。
裁判所に申立てを行えば、ほとんどすべての借金の支払い免除(免責)をしてもらえる可能性があります。- 「自己破産」の費用は30万円以上が目安となりますが、生活保護を受けている場合は、法テラスを通すことで自己破産の費用が免除となる可能性があります。
「自己破産」の手続きを弁護士に依頼した方がよい理由としては、次の3つが挙げられます。
・手続きの多くを代理人として行ってもらえる
・督促や取り立てをすぐに止めてもらえる
・状況に合わせたサポートをしてもらえる借金について困ったことがあれば、まず弁護士事務所の無料相談を利用するのも手だといえるでしょう。
相談無料 全国対応 24時間受付対応
- 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
- 今お金がなくても依頼可能!
- 相談は何度でも無料
- 最短即日!返済ストップ