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過払い金はいくらになるか診断できる?回収するためにすることは?

本当に過払い金が発生しているの?
どれくらい返金してくれるかわからない…過払い金診断できないかな

過払い金とは、わかりやすくいえば「払わずに済むはずだった」利息です。 当然、払い過ぎていたお金は返金してもらいたいところでしょう。

とはいえ、過払い金の発生要件は複雑過ぎて本当に過払い金が発生しているのかわからず、実際に踏み出せないという方も多いのではないのでしょうか?
まずはご自身に過払い金が発生しているかどうか確かめてみましょう。

この記事では過払い金が発生しているか確認する簡単な診断と、どのようにしたら戻ってくるかについて、解説しています。

過払い金が発生してるかどうかを診断

過払い金には、発生条件があります。
条件に当てはまらないと、過払い金が発生しているとは認められないのです。

過払い金の発生条件をチェック

まずは次の2つの条件にあてはまるか、確認しましょう。

20010年以前に借金をしていた
完済後10年未満(時効が10年であるため)

上記の条件に当てはまる場合は、過払い金が発生している可能性があります

過払い金の額は?金額の計算

過払い金の額の計算方法は「引き直し計算」により求められます。引き直し計算の考え方は、払った金利から上限金利を差し引き、「支払わなくてもよかったお金」を算出することです。

【おおまかな計算例】

前提

借入額:100万円
年利:27.2%(利息制限法の上限金利はこの場合15%となります)
月々返済額:10万円
※ひと月は30日周期とする

毎月の支払いで発生する利息の計算方法は 借入額(円)×金利(%)÷365(日)×借入日数(日)

①まずはひと月に発生する利息額を計算(実際に支払った利息)
100万円×27.2%÷365日×30日≒22,356円 ひと月あたりの金利分返済額 22,356円

②続いて利息制限法の上限金利での利息を計算(本来の利息)
100万円×15.0%÷365日×30日≒12,329円 ひと月あたりの金利分返済額 12,329円

③ひと月に発生した過払い金を計算(実際に支払った利息ー本来の利息)
22,356円―12,329円=10,027円 このケースではひと月で10,027円過払い金が発生していた、となります。

あとは①〜③の計算を借入額(元金)に応じて、毎月いくら過払い金を支払っていたのか繰り返し計算し、その合計額が過払い金の総額となります。

完済まで毎月の計算はあまりにも長くなるので省きますが、計算してみると約12万円程度発生していたことになります。

ただし実際には

何件も同じ業者からの借入金・遅延損害金がある
返済プランが業者によって異なる
貸し借りを繰り返した

といったケースもあるため、実際にはさらに複雑な計算が必要となります。
また、個人では過去の契約書や取引記録を調べるのは手間もかかり、過払い利息金額を正確に算出するのは難しいでしょう。

そこで、正確に過払い金を算出するには弁護士や司法書士に依頼することも一つの選択肢となります。業者への取引記録の照会も弁護士や司法書士を通すとスムーズです。
過払い金は、計算を間違ってしまうと業者から返還を拒否される可能性もあります。

過払い金を返還請求するときの注意点

診断の結果、過払い金が発生している可能性が高い場合でも、

過払い金返還請求が
・できるかどうか
・したほうがいいかどうか
は別の問題です。

それぞれ以下で詳しく解説していきますね。

過払い金返還請求ができないケース3つ

請求できるかどうかについては、次の3つをチェックする必要があります。

  1. 10年の時効期間を過ぎている
    過払金返還請求には時効があり、民法の規定から時効は10年です。
    「どこから数えて10年?」と疑問に思われるでしょう。借り入れを行った時点なのか、それとも取引を終わった時点なのかが問題です。
    この点、最高裁は原則、取引終了時より10年であるとしており、完済時にさかのぼります。

    過払い金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払い金返還請求権の消滅時効は,過払い金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である。
    (平成21年1月22日 最高裁判所判決より)

    したがって、完済してから10年以上経過しているケースでは過払い金返還請求はできません。一方で現在も返済を続けているケースであれば請求は可能です。

  2. 銀行系カードローンである
    先ほどの診断で、「上限となる金利」としていたのは、「利息制限法」の規制に従った場合の上限金利(最高で年利20%)のことです。
    いわゆるサラ金・ノンバンク貸金業者は、かつて利息制限法より高い「出資法」で定められた上限金利(年利29.2%)で貸付けを行っていた場合もあります。

    利息制限法と出資法の金利の差額がグレーゾーン金利で、過払いの利息が発生した原因となっています。 しかし銀行系カードローンは以前から利息制限法の金利に則った貸付けをしています。 このため、法律には従っているが、従うべき法律が違うグレーゾーン金利は銀行系カードローン取引にはなく、過払い金返還請求ができません。

  3. クレジットカードのショッピングで利用している
    過払い金返還請求ができる理由は、グレーゾーン金利により、貸金業者が「利息」を取り過ぎたためです。 この点、費目が「手数料」で利息には当たらないショッピング金利には、過払い金返還請求ができません。
    ただし、クレジットカードの「キャッシング」「リボ払い」については請求できる可能性があります。

過払い金返還請求をしないほうがよいケース3つ

また過払い金返還請求については「請求はできるが、しないほうがよい」ケースもあります。

  1. 自分で返還請求をしてしまい、正確な過払い額が返らないケース
    弁護士に依頼すると高くて面倒、と思ってご自身で返還請求をしてしまうケースがあります。しかし、依頼は費用が明瞭ですし、手間もかかりません。

  2. 過払い金が、借入残高よりも少ないケース
    過払い金が戻ってきたとしても借金が残ってしまうような場合、過払い金で借金を減額する「債務整理」にあたり、信用情報に事故記録が残る、いわゆる「ブラックリスト」に掲載されてしまいます。
    一旦ブラックリストに載ると約5年、ローンやクレジットカードが発行できなくなる可能性があります。

    なお、「借金返済中」ではなく、残高>過払い金の場合です。返済中でも、過払い金で全額の返済が可能であれば、これは債務の弁済ですので、ブラックリストには掲載されません。

  3. 弁護士費用が過払い金を上回るケース
    過払い金返還請求の際、弁護士費用は次の計算式によって求められる額となります。

    過払い金返還請求にかかる弁護士費用=着手金(基本報酬)2万+返還金額15%~20%程度

    しかし、過払い金がこの額をカバーできなければ、請求しても損失が出ることになりますから、請求はお勧めできません。

過払い金返還請求の方法と流れ

では実際に過払い金返還請求の流れはどうなるでしょうか。また、期間はどれくらいかかるでしょう。

  1. 弁護士・司法書士に相談・依頼
  2. 無料で初回相談を行っている事務所もあります。
         ↓
  3. 弁護士・司法書士による案件の受任
  4. 受任契約書を締結します。
         ↓
  5. 過払い金の引き直し計算
  6. 弁護士や司法書士が過払い金を正確に計算します。
         ↓
  7. 債権者との交渉
  8. 弁護士・司法書士が交渉にあたります。
         ↓
  9. おおむね3~7ヶ月後、返還交渉成立
  10.      ↓
  11. 貸金業者と合意書作成後、過払い金返還

弁護士・司法書士に直接依頼できず、「どなたに依頼したらよいかわからない」、また、「他の問題もあるので、整理をつけながらお金のことも相談したい」という場合もあるでしょう。

そんな時は、次のような窓口にご相談されるのも一つの方法です。

法テラス
過払い金が発生しているのかどうかを無料で診断。また、専門家(弁護士・司法書士)の紹介も行っています。

日本クレジットカウンセリング協会
過払い金に限らず、家計のカウンセリングなど借金全般の相談を無料で行っています。また任意整理の手続きであれば無料で依頼も可能です。
これらの機関に相談した後、過払い返還請求をする場合は、先に紹介した請求の流れに従って進めることとなります。

過払い金が戻ったとしても借金が返せない場合は?

診断の結果、過払い金がなかった、あるいは、過払い金のみでは借金の問題が解決しない、という方もいらっしゃるでしょう。そういう場合の解決方法はどうしたらよいのでしょうか。

  1. 保険を解約する
    保険を解約し、解約返戻金を返済に充てることも考えられます。
    しかし、保険の解約は、満期保険金よりも大幅に不利な額であることが通常です。多くの場合に、なんとか保険を解約せずに借金問題を解決できないか課題になります。

  2. 退職金で返済する
    退職金は借りることもなく、また、額も高額なので、借金を片付けるには選択肢になります。
    しかし、どなたにもお勧めできる手段というわけではありません。

上記の解決方法は一長一短があり、また、借金が特に多重債務になっている場合は、自分でも借金を把握するのが難しいケースがあります。
これも多重債務に考えられることですが、どこから先に弁済するか、整理がついていないうえに、法律を知らないために解決が遅れるケースもあります。

そこで、債務整理について紹介します。借金問題解決方法の選択肢としてこちらも検討するとよいでしょう。

借金を減額・免除する債務整理とは?

債務整理には次のような種類があります。

  1. 任意整理
    弁護士や司法書士などが間に入って、貸金業者や銀行などと借金額や返済方法について交渉し、和解契約を締結する交渉。弁護士・司法書士に依頼すると、一債権者あたり2~3万円+債務の減額分から成功報酬として10%~20%の費用が掛かる。最も利用されている手段。

  2. 個人再生
    裁判所を通して、3年で返済できる額に債務を圧縮する手続き。弁護士・司法書士に依頼して行う。費用は約50万円。

  3. 自己破産
    裁判所を通して、債務を帳消しにする手続き。弁護士・司法書士に依頼して行う。費用は30~80万円ほどが標準。債務が帳消しになる代わりに、ほとんどの財産を分配される。

これらの手続きでは、督促が止まる・債務が減額される可能性があるといったメリットがある一方、ブラックリストに載る、自己破産は原則として生活に必要な財産以外は換価対象となる、などのデメリットもあります。

デメリットと天秤にかける必要がありますが、過払い金請求と異なり、特定の債務でなく、債務全体の整理ができる点が特徴です。

多重債務の場合・債務額が多い場合には、視野に入れて弁護士や司法書士に相談してみましょう

まとめ

以上の通り、診断してみて過払い金があり、返還請求するのが妥当である場合には弁護士・司法書士に相談し、解決を図るのも方法です。

これに対して、借金が多重債務である・額が多いといった事情がある場合には、債務整理も視野に入れて検討しましょう。

弁護士・司法書士、というと敷居が高い、と思われがちですが過払い金がいくらくらい発生しているのかなどの相談だけなら無料としている事務所も数多くあります。
ぜひ一歩を踏み出して、過払い金・借金問題を解決しましょう。

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