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自己破産が会社にバレるケース4つとその後の影響|経営者の自己破産についても解説

2021.11.17 2021.11.17

監修者情報
澁谷 望
監修者:弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第54634号
出身地
熊本県
出身大学
大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。

自己破産は借金が返済不能になってしまった方への救済手段です。

とはいえ、一般的にはネガティブなイメージが大きく
自己破産を会社にバレたくない
会社に知られたら解雇や降格になってしまう?
などの不安を抱く方もいるかもしれません。

結論から申し上げると、自己破産が会社にバレる可能性は、かなり低いといえます。
また、万が一、自己破産がバレたとしても警備業、保険業、金融機関等の一部の業界を除いて会社から解雇されたり、降格されたりする心配も不要です。

とはいえ、自己破産に至る事情は人それぞれ。
状況によってはバレたり影響を受けたりする可能性がゼロとは言い切れません。
それでも、社内での立場的に働きにくくなったり、給与が下がったりするような事態は、何としても避けたいところです。

また、一般社員と社長や役員の方では、会社に対する影響が異なります。

この記事では、

  • どんなケースでバレることがあるのか
  • 自己破産が会社でのキャリアや生活にどんな影響を及ぼすのか
  • 社長や役員など立場によって自己破産の影響がどのように異なるのか

について詳しく解説します。

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自己破産は会社にバレる?バレてしまうケース4つ

自己破産の事実が会社に知られる可能性は、決して高くはありません。
裁判所から会社へ通達が行くことも、手続きの過程で勤め先が調査されることもなく、自ら自己破産を会社に報告する義務もないからです。

ただし、絶対とはいえません。例外的にバレてしまうケースもありますし、バレないようにすることも可能です。
では、バレる状況としてどんなケースが考えられるのか、以下で説明していきましょう。

官報に掲載される

自己破産をすると、破産者や手続きの情報が官報に掲載されます。

官報とは、内閣府が発行している国の機関紙のこと。
法令などの政府情報を国民に伝える新聞として、行政機関の休日を除き毎日発行されています。

官報は「インターネット版 官報」というWebサイトで過去30日分を見られるほか、一部の図書館でも閲覧できます。
誰でも自由に閲覧できますが、実際に閲覧しているのは、その情報を必要とする限られた業種の人のみです。

官報を業務上、閲覧する業種一覧

士業(弁護士や司法書士など)
信用情報機関の関係者
市や区の税務担当
ヤミ金融業者

ですので、日常的に閲覧している人は非常に少なく、「一度も見たことがない」という人がほとんどです。

上記の職業に就いてなければ、会社にバレる可能性は高くないといっていいでしょう。

裁判所に提出する書類

自己破産の申し立て(手続きの申請)をするには、さまざまな書類を揃えて裁判所に提出する必要があります。

そのひとつが、会社が発行する「退職金見込額証明書」です。

これは使用する機会が滅多にないので、発行を依頼した時点で自己破産を疑われる可能性はあります。

しかし住宅ローンの審査時にも必要な書類であるため、理由を聞かれた時には「住宅の購入を考えているので」と説明すれば疑われずに発行してもらえるでしょう。

会社からの借金がある

自己破産の手続きでは、すべての借入先を「債権者」として裁判所に届け出ることになります。

もし勤務先から借り入れをしていた場合は、勤務先も債権者の一人とみなされます。
自己破産の手続きにおいては、

  • 弁護士からの受任通知
  • 裁判所からの破産手続き開始決定の通知

が会社に送られるため、自己破産したことがバレてしまうでしょう。

「先に勤務先からの借金だけ完済しておけばバレないのでは?」と思うかもしれませんが、それはできません。

自己破産は、すべての債権者を平等に扱うという「債権者平等の原則」に基づいています。
特定の債権者(この場合は会社)に対して借金を優先的に返済する「偏頗(へんぱ)弁済」は、その原則に反する行為とみなされるのです。

破産法252条においても、免責不許可事由(自己破産が認められない原因となるもの)になることが規定されています。

給与を差し押さえられている

債権者(借入先)からの強制執行の申し立てによって、すでに給与を差し押さえられている人も要注意です。
その状態で自己破産をすると差し押さえが解除されるため、当然バレてしまいます。

とはいえ、そもそも差し押さえられた時点で、会社側も「借金の返済が滞って危機的状態にある人」ということを把握しているはずです。
残念ですが、この場合は会社にバレないようにするのは難しいといえるでしょう。

万が一自己破産が会社にバレてしまったら解雇・降格になる?

自己破産したことが何らかの理由で会社にバレたとしても、それによる解雇や降格は限定的です

労働契約の基本ルールを記した「労働契約法」の第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されています。

自己破産は、「経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的」(破産法1条)とした法的手続きです。
そのため、もし企業側が自己破産を理由に従業員を解雇・降格した場合、不当解雇等に該当する可能性があるのです。

ただし、例外的に影響や制限を受けることもあるので、以下で解説していきます。

自己破産の手続き中は一部の職種・資格が制限される

自己破産をしても解雇や降格にはなりませんが、制限される職種はあります。
制限がかかるのは主に資格の取得・保持で、該当する職種の人は一時的に業務ができなくなるのです。

制限の期間は、手続きが終わるまでの約3ヶ月〜6ヶ月程度(厳密には「破産手続き開始決定」から「免責許可」まで)。

免責許可が下りれば「復権」となり、一切の制限はなくなり、再び職務に就くことができます。

<制限を受ける職種一覧>

(不動産や建築関連)
警備員、生命保険の外交員(生命保険募集人)、建設業、宅地建物取引主任(宅建)、土地家屋調査士、不動産鑑定士

(金融関連)
貸金業者、質屋

(士業・師業関連)
弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公証人、公認会計士、司法修習生

(卸業関連)
卸売業者

(公共関連)
教育委員会委員、社会保険労務士、廃棄物処理業者(一般廃棄物処理業者,産業廃棄物処理業者)

(保険業関連)
生命保険募集人
(その他)
旅行業務取扱主任者

など

給与やボーナスが没収される可能性も

自己破産を理由に会社から給与やボーナスが減給されることはありません。

しかし、支給のタイミングによっては裁判所から没収される可能性があるので注意が必要です。

自己破産をした場合、「20万円以下の預貯金」と「99万円以下の現金」は自由財産として手元に残せますが(東京地裁の運用の場合)、それらを超えると没収されてしまいます。

破産手続き開始の時点ですでに手にしている給与・ボーナスは、他の預貯金や現金と同等に扱われます。
そのため合計金額が自由財産の範囲を超えてしまうと没収の対象となるのです。

一方、破産手続き開始よりも後に取得した給与・ボーナスは「新得財産」と呼ばれ、どれだけ高額でも没収されることはありません

退職金も没収の対象となる

退職金は破産者の資産、つまり没収の対象です。

ただし、資産として計上される割合は、破産手続き開始の時点ですでに受け取っているかどうかで変わります。

【まだ在職中で退職金を受け取っていない場合】
支給される金額(退職金支給見込額)の1/8が評価額となり、その相当額が没収されます(退職金を受け取る権利は没収されません)。

通常、破産手続き開始後に取得する金銭は没収されませんが、退職金は“後払いの給与”としての性質をもつため資産扱いとなるのです。

しかし、退職金支給見込額の1/8が20万円未満(退職金の総額が160万円未満)であれば、生活に必要な財産(自由財産)として全額を手元に残すことができます。

【破産手続き開始の時点で退職の予定が決まっている、またはすでに退職したが退職金が未支給という場合】
同様の理由で支給される金額(退職金支給見込額)の1/4が評価額となり、その相当額が没収されます(退職金を受け取る権利は没収されません)。

【すでに退職し、退職金が支給されている場合】
この場合は、支給される金額(退職金支給見込額)の全額が資産です。

経営者や会社役員が自己破産すると?

会社の社長や役員が、「連帯保証人になっていた」などの理由でやむをえず自己破産を検討するケースもあるでしょう。

その場合はどんな影響を受けるのでしょうか?

一般社員が自己破産をしても解雇や降格をされることはありませんが、社長や役員は社員と契約内容が異なるため、破産時の対応も異なります

株式会社の場合、社長や役員は会社と「委任契約」を結んでいるので、自己破産をすると役職を解任されてしまいます。
「委任契約は自己破産によって終了する」ということが民法653条で定められているからです。

ただし、一度は委任契約が終了しても、破産手続き開始決定後に株主総会の決議で再び選任されれば、社長や役員に就くことができます。
どうしても解任を避けたいときは、自己破産ではなく「任意整理」を検討しましょう。

任意整理では借金全額を帳消しにすることはできませんが、裁判所を介さずに債権者と直接交渉を行うため、役職を解任されることはありません。

自己破産した後に会社を設立することは可能?

自己破産をしても起業することは可能です。
裁判所から免責許可決定を受けていれば、制限を受けることなく会社を設立することができます。

ただし、実際に設立するとなると注意すべき点があります。

それは、銀行や信用金庫といった金融機関からの借り入れができないということ。
自己破産をすると、5~10年間に渡って信用情報機関に事故記録が残ります。

いわゆる“ブラックリストに載る”という状態になるのです。
そのため、資金調達の苦労は避けられません。
ブラックリストに載った状態でも資金を確保する方法としては、次のようなものが挙げられます。

クラウドファウンディング

インターネットのクラウドファウンディングサイトを利用して資金を集める方法です。
クラウドファウンディングは借金ではなく、申込者の信用情報を調査されることもありません。

再チャレンジ支援融資

自己破産の理由がやむを得ない事情であり、すでに免責許可決定を受けている場合に利用できる、日本政策金融公庫の融資制度。
限度額7200万円(うち運転資金4800万円)の融資を、民間の金融機関より低金利で受けることができます。

新創業融資制度

こちらも日本政策金融公庫の融資制度で、新たに事業を始める人、または事業開始後に税務申告を2期終えていない人を対象としています。限度額3000万円(うち運転資金1500万円)の融資を受けることが可能です。

自己破産が会社にバレない・影響の少ないようにするには?

自己破産をしたことが会社にバレる確率は低く、たとえバレても解雇や降格の心配はありません。

しかし、一時的な資格制限などにより何らかの影響を受ける可能性もゼロとはいえないでしょう。
仕事への影響を最小限に抑えたい、そんな人には「任意整理」または「個人再生」を検討してみてください。

自己破産、任意整理、個人再生は、いずれも借金問題を法的に解決する「債務整理」の手続きのひとつです。
自己破産とは異なるため借金の全額免除は叶いませんがが、借金を減らして返済しやすくすることができます。

任意整理

任意整理とは、借入先の貸金業者や金融機関と直接交渉して、無理なく返済できるようにする手続きです。
多くの場合は将来利息をカットし、残った借金を3~5年の分割払いで返済していきます。

任意整理は裁判所を介さずに行うため、会社に書類の発行を依頼する必要がなく、債務整理の中では比較的会社にバレにくいという特徴があります。
会社から借り入れをしている場合でも、任意整理では交渉する借入先を選ぶことができるので、会社を対象から外せば知られることはないでしょう。

また、資格や職業が制限されることはなく、給与・ボーナス・退職金などの賃金が没収される心配も不要で、社長や役員が役職を解任されることもありません。
会社やキャリアへの影響やリスクがほとんどない、借金減額方法といえるでしょう。

個人再生

個人再生とは、裁判所を通じて借金を1/5~1/10程度に減額してもらう手続きです。
残った借金は原則的に3年間で返済することになります。

自己破産と同じく裁判所を介して行う手続きであり、会社が発行する「退職金見込額証明書」が必要となるため、会社へのバレにくさは自己破産と同じかもしれません。

しかし、資格や職業の制限がかかったり、給与・ボーナス・退職金が没収されたり、もちろん社長や役員を解任されることもありません。
会社への影響に関しては、任意整理と同じくほぼゼロといえるでしょう。

借金のお悩みは早めに弁護士に相談を

自己破産をしても、会社に知られる可能性は決して高くはなく、受ける影響もごく一部に限られます。

また、わずかな影響を避けたい場合は、任意整理や個人再生といった他の方法を選ぶことも可能です。

借金に苦しんでいる状態でもっとも危険なのは、会社にバレることではなく、返済できずに滞納してしまうこと。

滞納を繰り返し、債権者から裁判所を通じて訴えられることになれば、強制執行による差し押さえを受ける可能性もあります。
差し押さえの対象としてもっとも多いのは、給与やボーナスといった会社からの賃金です。

そうなれば「借金滞納の事実」は会社にバレてしまうでしょう。
そのため、少しでも早く解決に向けて動きだすことが大切です。

弁護士に相談すれば、あなたの現状を客観的に分析した上で、最適な手続きや、会社にバレないようにする方法についてアドバイスをしてもらえます。
弁護士には守秘義務があるため、相談内容が漏れる心配はありません。

また、実際に債務整理を依頼することになれば、債権者からの督促を止められるというメリットもあります。
無料で相談できる事務所も多いので、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

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21人(2021年3月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
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