自己破産後に起きる生活への影響は、おもに次の8つがあります。
- 持ち家や車など一定以上の価値のある財産を失う
- 保証人に支払い義務が移り迷惑をかける
- 住宅ローンやカードローンなどの新規借入れができなくなる*1
- クレジットカードが利用できなくなる*1
- 携帯・スマホ端末の分割払いができなくなる*1
- 賃貸住宅の入居を断られる場合がある*1
- 奨学金の保証人になれない*1
- 一部の職業や資格が制限される*2
*1 ブラックリスト期間中(5~7年程度)
*2 自己破産手続き中
自己破産後は、人生が大きく崩れてしまうようなイメージがあるかもしれません。しかし、個人の権利や自由が奪われることはありません。
財産も一部は回収されますが、全財産を失うわけではないのです。
この記事では、自己破産後の影響や、自己破産をした人の体験談、自己破産後の誤解、また自己破産以外に借金を解決する方法について詳しく解説します。
自己破産後の生活が不安という方は、弁護士法人・響へお気軽にご相談ください。
「自己破産のデメリットを詳しく知りたい」「自己破産以外の借金解決はないか」といった疑問にもアドバイスすることができます。相談は24時間365日受付、何度でも無料です。
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目次
自己破産後に起きる人生・生活への影響は8つ
自己破産後に起きる人生・生活への影響は、おもに次の8つがあります。
- 持ち家や車など一定以上の価値のある財産を失う
- 保証人に支払い義務が移り迷惑をかける
- 住宅ローンやカードローンなどの新規借入れができなくなる*1
- クレジットカードが利用できなくなる*1
- 携帯・スマホ端末の分割払いができなくなる*1
- 賃貸住宅の入居を断られる場合がある*1
- 奨学金の保証人になれない*1
- 一部の職業や資格が制限される*2
*1 ブラックリスト期間中(5~7年程度)
*2 自己破産手続き中
自己破産とは「借金の返済免除をする代わりに、必要最低限の生活費・財産以外はお金に換えて(換価)、債権者に返済する」手続きをいいます。
自己破産のデメリットについては、下記記事で詳しく解説しています。
自己破産後の生活への影響について、以下で詳しく解説します。
一定以上の価値のある財産を失う
自己破産を行うと、必要最低限の生活費・財産以外は裁判所に回収・換価されてしまいます。
つまり、一定以上の財産は失われることになるのです。
ただし自己破産は、経済的に困窮した人が生活を再建するための制度なので、生活をしていくために必要なものまでは取り上げられることはありません。
自己破産によって失う財産は、おもに次のようなものです。
- 持ち家・自動車・不動産など20万円を超える財産
- 20万円を超える預貯金
- 99万円を超える現金
- ローンやリボ払い、分割払いなどで完済していない商品
以下で詳しく解説します。
持ち家・不動産・自動車など20万円を超える財産
自己破産した場合、20万円を超える財産は回収・処分され、債権者への返済に充てられます。
賃貸ではなく住宅を所有している場合、土地や建物は財産として見られ換価処分となるので、土地や建物は失われることになります。
ただし、価値が20万円以下と見なされる場合は除きます。
自動車も経済的な価値がありますので、換価処分となります。年式が古いなど、査定額が20万円以下と判断された場合は、回収されずに手元に残せます。
また次のようなものも換価処分の対象になります。
- ブランド品や貴金属・時計
- 家具、毛皮などの高額衣類
- 生命保険の解約返戻金 など
なお、20万円以上という金額は、購入したときの価格ではなく、自己破産時に換価する際の金額になります。
20万円を超える預貯金
預貯金に関しても、20万円を超える金額は回収の対象となります。
20万円以下は、生活維持に必要な金額として残すことができます。
99万円を超える現金
99万円を超える現金は回収の対象です。
しかし自己破産しても、99万円以下の現金なら自由財産として保持することが認められています。
たとえば現金を200万円持っている場合、101万円は失うことになります。
※裁判所の判断によるため、99万円以下でも自由財産として認められない場合もあります。
ローンやリボ払い、分割払いなどで完済していない商品
車・ブランド品・貴金属、高額な時計などをローンや分割払いで購入して完済していない場合は、
商品を引き揚げられる可能性があります。
代金の支払いが終わるまで商品の所有権は、クレジットカード会社やローン会社にあるからです。
ただし一定以上の価値のある場合を除いては、実際に引き揚げられるケースはそれほど多くはないようです。
自己破産でなくなるものについては下記記事で詳しく解説しています。
保証人に支払い義務が移り迷惑をかける
ローンなどの借入時に保証人・連帯保証人を設定した場合は、自己破産した人の代わりに保証人に返済する義務が発生します。
親や兄弟などに保証人になってもらうケースはよくありますが、家族でも債務を返済する義務が生まれます。離婚した配偶者でも同様に、責任を負うことになります。
借入額が大きい、収入があまりないなどの理由で、保証人も返済ができない場合は、保証人も自己破産など債務整理を検討する 必要があります。
このため、自己破産を行うときに保証人が設定されている場合は、誠意を持って事情を説明し理解を求めるのが大切です。
自己破産による保証人への影響は下記記事で詳しく解説しています。
住宅ローンやカードローンなどの新規借入れができなくなる
自己破産をすると、信用情報機関に事故記録が登録(いわゆるブラックリストに載る状態)されます。
信用情報に事故記録が登録される期間は5〜7年間程度です。この間は住宅ローンやカードローンなどの新規借入れはできません。
クレジットカードやローンなどの契約・取引などの客観的情報(信用情報)を保管・管理する民間機関です。金融機関や貸金業者は、借入れの申し込みがあると必ず利用者の信用情報をチェック(与信)します。
信用情報機関は次の3つがあります。
・株式会社シー・アイ・シー(CIC)
・株式会社日本信用情報機構(JICC)
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)
自己破産によって事故情報が登録される期間は、以下のように異なります。
- CIC:免責許可決定から5年程度
- JICC:免責許可決定から5年程度
- KSC:破産手続開始決定日(官報公告日)から7年程度
特に住宅ローンの場合は、自己破産後約7年が経過しないと契約できないといえます。
住宅ローンを提供している銀行・信用金庫やモーゲージバンク(住宅ローンを専門で扱うノンバンク)は、必ずKSCの信用情報を照会するためです。
クレジットカードが利用できなくなる
自己破産をすると、所有しているクレジットカードは強制解約となり、使えなくなります。
多くのクレジットカード会社では、会員規約に「信用状況が悪化したと認められるときは、通知せずに会員資格を取り消す」などと明記しています。
クレジットカードは、利用者の信用をもとに発行されるためブラックリストに載っている期間中は新規契約もできません。
そのため、公共料金やETCカード、動画サービス(サブスク)など、クレジットカード払いとなっているものは支払い方法を変える必要があります。
しかしクレジットカードの代用となるサービスも多くあるため、あまり不便を感じないといえます。
〈クレジットカードの代用となる方法〉
- デビットカード
- プリペイドカード
- 家族カード
- QRコード決済
- デポジット型のクレジットカード
- 公共料金などは銀行引き落としにする
- ETCはETCパーソナルカードで代用する
デビットカードやプリペイドカードの発行には一般的に審査はないため、自己破産後でも利用できるでしょう。
また自己破産してない家族にクレジットカードを契約してもらい、その家族カードを利用することも可能です。
クレジットカードへの影響や対処法については下記記事で詳しく解説しています。
携帯・スマホ端末の分割払いができなくなる
自己破産後に、意外と見落としがちなのが、携帯・スマホ端末の分割払いができなくなることです。
端末の分割払いを契約(割賦購入契約)する場合は、携帯電話会社が信用情報を照会するため、ブラックリストに載っていると契約できないです。
自己破産後、携帯・スマホ端末の分割購入ができない場合は、以下のような対処法があります。
- 型落ち端末・中古端末を一括払いで購入する
- 家族に代理契約してもらう
- レンタル携帯やプリペイド携帯を利用する
なお、携帯キャリアの新規契約や乗り換えは、自己破産後でも可能です。端末の分割払いがない場合は、ブラックリストを照会されないためです。
自己破産による携帯への影響や対処法は、下記記事で詳しく解説しています。
賃貸住宅の入居を断られる場合がある
賃貸住宅の契約時には、賃貸保証会社(家賃保証会社)との契約が必要な場合があります。
一部の賃貸保証会社では、入居時の審査で信用情報(いわゆるブラックリスト)や、家賃の滞納歴、保証会社による代位弁済(家賃の立て替え)などの履歴を参照することがあります。
「自己破産をしたから審査に通らない」というわけではありませんが、このような情報を参照した結果、審査に通らず賃貸契約ができない場合もあります。
借主の家賃の支払いを貸主に保証する会社です。借主が家賃を滞納した場合に、立て替えを行います。賃貸借契約時には、賃貸保証会社とも併せて契約することが多いといえます。
入居時や更新時の審査で信用情報を参照する賃貸保証会社は「信販系」と呼ばれる会社です。
信販系とは、おもにクレジットカード関連の保証会社で、信用情報機関に加盟しています。
アプラス賃貸保証
オリコフォレントインシュア
ジャックス(セキュアレントシステム)
あんしん保証(ライフあんしんプラス・あんしんプラスAC)
エポスカード(ROOM iD)
クレディセゾン
SMBCファイナンスサービス
SBIギャランティ など
賃貸保証会社が信販系の場合は、別の賃貸保証会社に変えられないか、不動産会社に相談してみましょう。
また、次のような対処法も考えられます。
- 連帯保証人をつける
- 契約者の名義を家族や法人にする(家主の許可が必要)
- 賃貸保証会社不要の物件を探す
- URや公営住宅・シェアハウスを選ぶ
【独自取材】不動産会社の契約時の対応を公開
当メディアでは、不動産会社の勤務ご経験者2名に独自取材をして、実際の賃貸契約時の対応についてお話をお聞きしました。
以下で紹介します。
ハウスメーカー勤務ご経験者
不動産仲介会社が物件を紹介する場合は、必ず賃貸保証会社の審査を行うことになります。
信販系の保証会社の場合は、ブラックリストに載っている方は「ほぼ審査に通らない」ですね。
私の勤めていた会社では信販系保証会社のみの取引だったので、それ以外の保証会社で審査をすることはできませんでした。残念ながら保証会社の審査が通らない方には、物件を紹介することはできません。
ただし例外的に次のような方法で契約できる場合もあるので、不動産会社へ相談してみてはいかがでしょうか。
連帯保証人を立てる
家賃の数ヶ月分前払いをする
個人ではなく法人(勤務先会社など)として契約する
いずれの方法でも家主様の承諾が必要なので、必ず契約ができるわけではありません。
賃貸契約時には申込み書に勤務先や年収、緊急連絡先などを書いていただき、賃貸保証会社で審査をしてもらいます。
まずは信販系の保証会社へ審査に出しますが、ブラックリストに載っている場合はすぐに不承認の連絡がきてしまいます。
信販系の保証会社が通らない場合は、次に独立系の保証会社へ審査を出します。こちらはやや審査方法が異なるので、通る可能性はあります。やや厳しい場合でも、通帳のコピーを提出して収入を確認できれば通せるといった提案をいただける場合もあります。
お客様が保証会社を選択することはできませんが、物件ごとに保証会社は異なりますので、違う物件をご紹介することで通る場合もありますね。
また保証会社の審査に通らなくても、最終的に家主様が承諾すれば契約はできます。あえて交通の便が悪い、築年数が古いなど条件の悪い物件を狙うことで、契約できる場合もあります。
※取材日:2024年1月26・29日。個人の見解も含まれるため内容を保証するものではありません。
自己破産の賃貸契約については、下記記事で詳しく解説しています。
奨学金などの保証人になれない
自己破産後ブラックリストに載っている期間中は、保証人になることができません。
お子さんの奨学金の保証人が必要な場合は、親族などに依頼したほうがいいでしょう。
また、保証機関が連帯保証をしてくれる「機関保証制度」を利用することで、保証人不要で奨学金の借入れをすることも可能です。
機関保証制度を利用するには、一定の保証料が必要になります。
※参考:日本学生支援機構「保証制度」
一部の職業や資格が制限される(手続き中のみ)
自己破産をすると、一部の職業や資格が制限されます。
次のような職についている場合は、自己破産の手続開始決定になると、欠格(一時的に資格を失う)となり、資格を活かした業務ができなくなります。
〈制限を受ける職業・資格の例〉
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 公認会計士
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
- 公証人
- 生命保険外交員(募集人)
- 警備員 など
自己破産が免責許可決定となると、資格や職業に関する制限も解除(復権)されます。
なお、自己破産しても勤務先企業から解雇になることはありません。
自己破産しても裁判所から勤務先に連絡が入ることはありませんし、万一会社にバレてしまってもそれを理由に解雇をすることは不当解雇になります。
しかし次のような一部の職業では、自己破産によって失職や罷免となることがあります。
〈失職・罷免となる職業の例〉
- 会社役員
- 団体理事
- 人事官
- 教育委員会の委員
- 公安審査委員会の委員
- 公正取引委員会の委員 など
職業・資格制限は自己破産後の生活に影響するため、ご自身の職業が制限対象になっていないか、あらかじめ確認しておきましょう。
自己破産で制限される職業については下記記事で詳しく解説しています。
自己破産をした人の体験談
ここでは、浪費による借金400万円を自己破産(管財事件)で解決した、50代男性の事例を紹介します。
自己破産の経験者の「自己破産に至ったきっかけ」や「自己破産後の生活・心境の変化」などを知る参考にしてください。
自己破産の体験談は、下記記事でも紹介しています。
【借入総額】 | 400万円(クレジットカード会社から) |
---|---|
【自己破産手続の種類】 | 管財事件 |
【手続きにかかった期間】 | 約7ヶ月 |
【自己破産費用の総額】 | 約87万円 |
- ●浪費癖でふくらんだ借金が返済不能に
- 浪費癖があり生活費、買い物のために借金をしてしまい、気がついたら借金がかなりの額になっていることが判明しました。
仕事の給料は歩合制でしたが、当時は転職したばかりで歩合給がつかず、今後軌道に乗るのかわからない状態。支払いが回らないことに気づき、返済できるのか不安になって弁護士に相談しました。
最初は任意整理も考えていましたが、返済は難しい状況だったので自己破産を選択しました。
- ●わからないことが多かったが弁護士にサポートしてもらえた
- 自己破産の手続きは管財事件になり、解決するまでに7ヶ月ほどかかりました。
普段なじみのない書類を集めるなど、どのように対応すべきかわからないことが多く大変でした。
弁護士さんにお電話で確認して対応の繰り返しでしたが、いろいろとサポートしてもらえました。
自己破産手続の種類の一つ。清算できる財産を所有している場合や免責不許可事由の疑いがある場合に適用されます。調査などを行う破産管財人による調査が行われるため、費用・期間がかかります。
- ●自己破産後は仕事に集中できるようになった
- 弁護士に相談した時は転職したばかりでしたが、借金のこともあり、仕事に集中することができていませんでした。
相談をすることで自己破産できることがわかり、気持ちが楽になり、仕事に集中できるようになりました。
弁護士に依頼した後は、返済・督促がなくなったのもよかったです。
※ 必ずこのような内容で解決できることを保証するものではありません。
実は影響がない?自己破産後のよくある誤解
自己破産は、前述したような数々のデメリットはあるものの、決して個人の権利や自由を奪われるものではありません。
自己破産後の生活について、次のようなことは誤解といえます。
- 自己破産後に得た収入や財産も回収される
- 勤務先や友人にバレる
- 勤務先から解雇される
- 新たに起業できない
- 生活保護を受給できない
- 戸籍や住民票に記録される
- 家族へ影響がある
- 結婚に影響する・離婚の理由になる
- 株取引やFXなどの投資ができない
- 借入先から訴えられる
- 保険を強制解約される・新規加入できない
- 慰謝料や交通事故の損害賠償なども免除される
自己破産後の生活についてよくある誤解について、以下で解説していきます。
誤解1 自己破産後に得た収入や財産も回収される
自己破産の手続きが開始された後 に取得した給与や財産は、回収されません 。
自己破産手続きが開始された後に得た財産のことを「新得財産」といいます。
そのため破産後に新規事業によってまとまった収入があったとしても、裁判所に回収されることはありません。
自己破産後5~7年が経過して信用情報機関の事故情報(ブラックリスト)が抹消されれば、あらたなローンの契約も可能です。
誤解2 勤務先や知人にバレる
自己破産をした事実を、勤務先や近隣の人・知人などに知られる可能性はほぼないといえます。
自己破産の情報は「官報」という国の機関紙に掲載されますが、一般の方が閲覧することはほとんどないでしょう。
なお特定の業種・職種では閲覧している可能性もあります。
〈官報を閲覧する可能性のある業種・職種の例〉
- 弁護士や司法書士
- 金融業者
- 保険会社
- 市や区の税務担当者
- 警備会社 など
官報については、下記記事で詳しく解説しています。
誤解3 勤務先から解雇される
自己破産を理由に勤務先を解雇されることはありません。
なぜなら、法律(労働契約法)で、むやみな解雇は認められていないためです。
〈法律の条文(労働契約法)〉
(解雇)
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
引用:e-GOV法令検索「労働契約法」
自己破産を理由に解雇することは不当解雇にあたります。
万一勤務先の就業規則に「自己破産をした場合は解雇する」といった規定があった場合は、そもそも就業規則自体が無効の可能性もあります。
しかし一部の国家公務員(人事官・教育委員会委員・公安審査委員会委員・公正取引委員会委員 など)は失職・罷免されることがあります。
自己破産による解雇については下記記事で詳しく解説しています。
誤解4 新たに起業できない
自己破産後でも起業することは可能です。
しかし自己破産後5〜7年間はブラックリストに載ってるため、金融機関からの新規借入れはできず、事業資金を捻出することが難しいといえるでしょう。
したがって、ブラックリストが抹消されるタイミングを待ってから起業することが現実的かもしれません。
誤解5 生活保護を受給できない
自己破産後でも、条件にあてはまれば生活保護を受給することができます。
生活保護は生活に困窮する人を保護するための制度なので、自己破産をしたことが受給に影響することはないのです。
また自己破産前に生活保護を受給している場合は、その後も同様に受給することができます。
自己破産と生活保護については下記記事で詳しく解説しています。
誤解6 戸籍や住民票に記録される
自己破産を行っても、戸籍や住民票には記録されません。
戸籍や住民票は個人の身分や住所を証明するためのものなので、経済状況に関する内容は一切記載されません。
またマイナンバーにはブラックリストなどの信用情報は紐づいていないので、滞納や自己破産の事実がバレることはありません。
誤解7 家族の信用情報にも影響がある
自己破産をして信用情報機関に事故情報が登録(ブラックリストに載る)されるのは本人のみで、家族の信用情報には影響がありません。
そのため、家族が自分名義でクレジットカードやローンの契約をすることは可能です。子どもの進学や就職・転職などにも影響はありません。
ただし持ち家がある場合は回収・処分されてしまうので、転居による生活の変化は考えられます。
自己破産をした人の名義で新たなローンを契約することは一定期間できないので、その間の生活について、あらかじめ家族に相談して理解してもらうことが大切です。
自己破産による家族への影響は以下の記事で詳しく解説しています
誤解8 結婚に影響する・離婚の理由になる
自己破産が将来の結婚に影響を及ぼすことは、ほぼないといえます。
民法では結婚(婚姻)の要件として婚姻適齢や重婚の禁止、近親者・直系姻族間の結婚の禁止などを規定していますが、自己破産したことや経済状況の悪化による結婚の禁止はしていません。
また前述のように、自己破産の事実は戸籍や住民票には記録されないため、相手にバレることはないでしょう。
自己破産による結婚への影響は下記記事で詳しく解説しています。
また、自己破産の事実が離婚の理由となることもありません。
離婚問題で裁判になっても、自己破産だけが原因で敗訴になることは原則的にはないと考えられます。
ただし自己破産の事実を隠していたようなケースでは、法定離婚事由のひとつに挙げられる「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性はあります。
誤解9 株取引やFXなどの投資ができない
自己破産後に株取引やFXなどの投資をすることについては、制限はありません。
一般的に口座開設時や取引時に信用情報を照会されることはないため、自己破産後でも投資を行うことは可能です。
とはいえ投資にリスクはつきものです。
特に通貨の為替差益へ投資するFXは、日々刻々と変わる為替相場によって、短期間で大きな損失が出る可能性があります。
また取引を継続するために、追加証拠金(追証)が必要になる場合もあります。
しかしブラックリストに載っている期間中は新たな借入れもできないため、取引が継続できなくなってしまう場合もあることを理解しておきましょう。
FXによる借金の対処法については下記記事で詳しく解説しています。
誤解10 債権者から訴えられる
自己破産で免責許可決定となった後は、債権者は破産者を訴訟を提起(裁判を起こすこと)できません。そのため、債権者から訴えられる心配はないと考えてよいでしょう。
自己破産の手続き中であれば訴訟を起こすことが可能ですが、債権者が回収の見込みがないと判断すれば無理に訴訟を起こすことはないといえるでしょう。
誤解11 保険を強制解約される・新規契約できない
自己破産をしても、一般的に生命保険や損害保険などが解約されることはありません。
ただし、積み立て型の生命保険や火災保険などで、解約返戻金が20万円を超える契約については、財産とみなされます。
この場合は自己破産の手続きの際に解約して、解約返戻金を債権者に分配することになります。
また自己破産後のブラックリスト期間中でも、保険の新規契約には影響しません。保険の契約時には、信用情報を照会しないためです。
健康状態や勤務先・収入などに問題なければ、保険の契約に自己破産の影響はないといえるでしょう。
誤解12 慰謝料や交通事故の損害賠償なども免除される
離婚の慰謝料や交通事故の損害賠償金などは、債務(借金)ではありません。
そのため、自己破産で免責にはならず、支払い義務が生じます。
こうした免責許可決定の効力が及ばない債権のことを「非免責債権」といいます。
非免責債権は「悪意または故意により加えた人の生命または身体に対する不法行為」とされています。そのため「不貞行為による慰謝料」などは免責になる場合もあります。
不貞行為が明確に相手に害を与えようとした意図がない場合は悪意には当たらないと考えられ、慰謝料が免除される可能性があるのです。
非免責債権については下記記事で詳しく解説しています。
自己破産以外に借金を解決する方法
ここまで紹介したように、自己破産には生活への影響もありますが「人生終わり」というような破滅的なものではありません。
それでも自己破産には抵抗があるという方は、他の債務整理を検討してみましょう。
ただし、どの債務整理にも信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)ことは避けられません。
以下で詳しく解説します。
保証人への迷惑を回避できる「任意整理」
任意整理は、裁判所を介さずに直接債権者と交渉することで、おもに利息(将来利息)をカットしてもらい、元金を3~5年で返済していく方法です。
債務整理の中では、もっとも生活の影響が少ない手続きです。
特に住宅ローンや自動車ローンを整理の対象から外すことで、持ち家や車を失わずに済むことが大きなメリットです。
また、連帯保証人を設定している借入れを対象から外すことで、連帯保証人に迷惑をかけることを回避できます。
これまでの生活を大きく変えなくてよいので、負担も少なく家族にもバレにくいでしょう。
- おもに将来利息をカットして返済総額が減る
- 元金のみを3~5年で分割返済する
- 対象とする債権者を選んで影響を回避できる
- 裁判所を通さず進められるので期間や費用が少ない
- 家族などにバレにくい
任意整理については下記記事で詳しく解説しています。
持ち家を失わない「個人再生」
「個人再生」は、裁判所を介して借金総額を1/5~1/10程度に減額してもらい、原則3年(最長5年)で返済する法的な解決方法です。
※減額の下限は100万円。
借金を最大9割減額*できるため、任意整理では借金の返済が難しい場合に、次に選択すべき方法といえます。
*債務額3,000万円超の場合
個人再生の大きな特徴は「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用することで、持ち家を手放さなくて済むことです。
住宅ローン特則とは、個人再生を行う際に、住宅ローンの債権者(銀行やモーゲージバンクなど)を整理の対象から外してもらう特別措置です。
- 借金総額が5分の1~10分の1程度に減額できる(最低100万円)
- 原則3年(最長5年)で分割返済する
- 持ち家を残して借金減額できる
ただし、自己破産と同じように連帯保証人には迷惑をかけてしまうこと。
また、官報には個人再生した記録が載ってしまいます。
個人再生については下記記事で詳しく解説しています。
自己破産後のサポートも含めてご相談は弁護士法人・響へ
弁護士法人・響では、自己破産を含む債務整理に関する相談を無料で受け付けています。
「自己破産後の生活に不安がある」「自己破産のデメリットをしっかり理解したうえで行いたい」などという方は、弁護士法人・響にご相談ください。
ご依頼いただくと、最短即日~1週間程度で債権者に受任通知を送付することで督促や返済がストップします。返済がストップしている間に弁護士費用をご用意いただくことも可能です。
書類作成や裁判所手続きの多くをお任せいただけます。
※ご依頼者様自身で書類収集や作成を行っていただく必要がありますが、ていねいにサポートをいたします。
またご依頼者様の状況によっては、よりリスクの少ない自己破産以外の債務整理をご提案することも可能です。
弁護士法人・響は、24時間365日受け付け、全国対応可能。相談は何度でも無料なので、まずはお気軽にご相談ください。
弁護士法人・響について、詳しくは以下をご覧ください。
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