債務整理したらどうなる?家族や連帯保証人への影響とデメリットや注意点を解説

更新日アイコン

債務整理したらどうなる?本当に借金が減額できるの?

債務整理すると、借金を減額したり免除してもらうことが可能です

ただし、5〜7年間はいわゆるブラックリストに載りクレジットカードが利用停止になるといった影響もあります。

借金の返済や督促に苦しんでいる方は、一度弁護士にご相談ください。

弁護士法人・響なら、43万件以上の相談・問合せ実績をもとに債務整理すべきかの判断が可能です。債務整理が必要ない状態であれば、無理に勧めることはありません。

何度でも無料で相談可能なので、お気軽にご利用ください。

この記事では、債務整理の方法を紹介しながら、生活への影響やブラックリストに載った際の対処法などを解説します。

弁護士法人・響に相談するメリット
  • 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
  • 今お金がなくても依頼可能!
  • 相談は何度でも無料
  • 最短即日!返済ストップ

目次


弁護士に相談するのは迷う…という方は、まずは「借金減額診断」を使って借金を減額できるか診断してみましょう。

たった3問の質問に答えるだけですし、診断は無料でできます。

借金、減らせる?
30秒で借金減額診断する

債務整理したらどうなる?ブラックリストに載るデメリットも

債務整理すると、借金を減らしたり、免除してもらうことが可能になります

債務整理の共通するデメリットとしては、いわゆる「ブラックリストに載る」というものが挙げられます。

実際にはブラックリストというものは存在せず「ブラックリストに載る」とは、 信用情報機関に事故情報が登録されることを指します

信用情報とは、利用者と各金融機関との取引履歴などをまとめたもので以下の「信用情報機関」という団体で管理されています。

  • ​​株式会社​​​​シー・アイ・シー(CIC):おもにクレジットカード(信販)会社が加盟
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC):おもに消費者金融が加盟
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC):おもに銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟

銀行や貸金業者などは、利用審査時に契約者の信用情報を参照します。
そのため、事故情報が登録される(「ブラックリスト」に載る)と、ローン審査やクレジットカード利用に影響が出る可能性があるのです。

3つの信用情報機関では、任意整理、個人再生、自己破産、それぞれの方法ごとに「ブラックリスト」に載る期間の目安を設定しています。

次の表で示している期間は、「ブラックリスト」による影響が続くことになります。

債務整理のブラックリストについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

信用情報機関名 任意整理 個人再生 自己破産
CIC 登録されない
(滞納、代位弁済※で5年程度登録される)
5年 5年
JICC 5年 5年 5年
KSC 登録されない
(滞納、代位弁済※で5年程度登録される)
10年 10年

※代位弁済(だいいべんさい)とは、債務者(お金を借りた側)に代わって保証会社や保証人、連帯保証人が返済すること。

債務整理のおもな方法は「任意整理」「個人再生」「自己破産」

債務整理には、おもに以下の3つの方法があります。

  • 任意整理:債権者(金融機関などのお金を貸した側)と直接交渉し、利息分などの返済額の減額や返済プランの立て直しを図る方法。
    他の手段と比べると減額幅は小さくなることが多いですが、交渉する債権者を選ぶことができるため、デメリットも抑えやすいといえます。
  • 個人再生:裁判所に返済不能を申し立て、借金の大幅な減額を認めてもらう方法。任意整理と自己破産の中間のようなイメージです。
  • 自己破産:裁判所に返済不能を申し立て、借金の支払い免除(免責)を認めてもらう方法。基本的に借金はゼロになりますが、その分、デメリットも大きい手段です。

いずれの方法も複雑な書類の作成や債権者や裁判所との交渉などが多いので、弁護士などの法律の専門家に依頼するのが一般的です。

債務整理については、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理すると将来利息などの減額が図れる

任意整理では、 債権者との交渉を通して、次のようなお金のカット・減額を目指します

  • 将来利息:任意整理の和解日以降に発生する予定の利息。
  • 遅延損害金※:債務者が返済を滞納した際に発生する損害賠償金。

※債権者によっては減額できない場合もあります。

任意整理のイメージ

上記のお金をカット・減額した後の残額は、3〜5年での完済を目指すケースが一般的です。

任意整理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

個人再生では借金が1/5〜1/10程度に減額できる可能性がある

個人再生では、裁判所に申し立てた再生計画を認可してもらうことができれば、 借金を1/5〜1/10程度に減額できる可能性があります

減額した後の残額は原則3年(最長5年)で返済することになります。

個人再生のイメージ

ただし、個人再生では、債務者が返済しなければならない最低限の金額として、最低弁済額が定められています。

この基準より借金が減ることはありません。

〈個人再生の最低弁済額〉

借金(債務)総額 最低弁済額
100万円未満 借金総額全部
(減額なし)
100万円以上
500万円未満
100万円
500万円以上
1,500万円未満
借金総額の5分の1
1,500万円以上
3,000万円未満
300万円
3,000万円以上
5,000万円未満
借金総額の10分の1

※借金総額から住宅ローンを除く

個人再生についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自己破産すると、一部の債権を除き全額返済免除に

自己破産では、裁判所に返済不能であることを申し立て、その申立てが認められると、 一部の支払い(非免責債権)を除いた借金の全てが原則支払い免除(免責)となります。

自己破産のイメージ

非免責債権には、以下のようなものがあります。

  • 税金関係の支払い
  • 不貞行為の慰謝料など、破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償の支払い
  • 交通事故の損害賠償金など、破産者が故意または重大な過失により加えた人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償の支払い
  • 婚姻費用や養育費など、夫婦間、子ども関係の支払い
  • 雇用関係に基づいて生じた使用人への給料や預かり金の返還に対する支払い
  • 破産者が意図的に隠した債権者への支払い
  • 罰金などの支払い

自己破産についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理したらクレジットカードはどうなる?

債務整理は、クレジットカードの利用に影響します。
おもに以下の2つの影響が生じるでしょう。

  • 債務整理したらクレジットカードが利用停止になる
  • 債務整理後は5〜10年程度クレジットカードの新規作成ができない

それぞれについて、具体的に解説します。

債務整理したらクレジットカードが利用停止になる

債務整理を行うと、利用規約に基づいて クレジットカードが利用できなくなります

利用できない期間は、「 いわゆる「ブラックリストに載る」などのデメリットも」で解説した、事故情報が登録されている期間です。

この間に現金以外の決済方法を利用したい場合は、デビットカード、プリペイドカード、キャリア決済、家族カード、QRコード決済サービスなどを選択しましょう。

債務整理の対象としたクレジットカードは、債務整理の手続き開始とほぼ同時に強制解約になると考えましょう。

例外として、任意整理で対象外としたクレジットカードは、しばらく利用できることもあるようです。

次の項から、詳しく説明していきます。

債務整理対象のクレジットカードは「受任通知」が届くと強制解約される

債務整理の手続きの依頼を受けた弁護士などの法律の専門家は、債務整理の対象となるクレジットカード会社に「受任通知」を送付します。

「受任通知」を受け取ったクレジットカード会社は、一般的にその時点でクレジットカードの利用停止や強制解約を行うのです。

「受任通知」とは、弁護士などが債務者の代理人として債務整理の手続きを行うことを伝える文書で、債務整理を行うことの宣言にもなるためです。

受任通知についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

任意整理で対象外にしたクレジットカードはしばらく利用できる場合も

任意整理の対象としたクレジットカードはすぐに強制解約されてしまいますが、対象としていないクレジットカードは、短期的には利用できる場合があります。

ただし 「途上与信」があると解約される可能性があるので、結果的には使用できなくなることに注意してください。

用語集 途上与信とは? クレジットカードを利用している会員の信用度を定期的に審査することで、中間審査とも呼ばれます。
審査の際には、他社の利用状況や延滞の有無などもチェックされるため、他社で返済困難なことが判明すると、解約される可能性があるのです。

債務整理後は5〜10年程度クレジットカードの新規契約ができない

債務整理後は「ブラックリスト」に載るため、基本的に 5〜10年間は審査に通らず、新しくクレジットカードを契約することはできないといえます。

また、債務整理の対象にしたクレジットカード会社やその系列の会社では、事故情報の登録期間が終わったとしても、審査に通らないことがあります。

これは、クレジットカード会社が独自に管理している「社内ブラック」というデータが存在し、それは半永久的に残ると考えられるからです。

債務整理中や後のクレジットカードについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理したらローン契約や借り入れはどうなる?

債務整理後は「ブラックリスト」に載るため、基本的に 5〜10年間は審査に通らず、新規のローン契約や借り入れもできなくなるといえます。

この期間中にローンを組みたい場合は、一定の収入がある家族の名義で申し込めば、審査に通る可能性が上がるでしょう。

クレジットカードの新規契約と同じく、債務整理の対象にした会社や系列会社ではいわゆる「社内ブラック」に情報が残っていると考えられます。

事故情報の登録期間が終わった後もローン契約や新規借り入れができない可能性が高いでしょう。

債務整理後にお金が一時的に足りなくなった際の対処法としては、「緊急小口資金」などの公的な貸付制度を利用する方法があります。

参考: 厚生労働省生活支援特設ホームページ _ 生活福祉資金:制度概要(緊急小口資金・総合支援資金)

なお 「ブラックリストに載っていてもお金を貸します」などとうたっている貸金業者は、法外な利息で貸付けを行う「ヤミ金」と呼ばれる業者であることが多いといえます。

思わぬトラブルに巻き込まれる原因にもなるため、利用しないように注意しましょう。

債務整理後のローンについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理したら家や車はどうなる?

持ち家や車への影響は、債務整理の種類によって以下のように異なります。

  • 任意整理は住宅ローン、自動車ローンを対象から外せば影響しない
  • 個人再生では特則を使えば家を残せる
  • 自己破産では家や車は原則回収される

それぞれについて、詳しく解説しましょう。

任意整理は住宅ローン、自動車ローンを対象から外せば影響しない

任意整理では、将来利息の減額などを交渉する債権者を選べます。

そのため、 返済中の住宅ローンや自動車ローンを任意整理の対象から外せば、家や車に影響が及ぶことはありません

ただし、前述したとおり、任意整理後の借金完済からの5年間は、住宅ローン、自動車ローンの新規契約は難しいでしょう。

個人再生では特則を使えばローン返済中の家を残せる

個人再生は、任意整理とは異なり、特定の債務者を対象外にすることはできません。

そのため、 自動車ローンを返済中、かつローン会社やカーディーラーなどによる「所有権留保」がついている場合は、車を引き上げられてしまうでしょう。

銀行などのマイカーローンでは「所有権留保」がつかないことが多いため、車を引き上げられることは比較的少ないといえます。

用語集 所有権留保とは? 売買契約で売り主(ここではローン会社やカーディーラー)が売買代金を担保することを目的に、代金の完済まで引き渡した目的物(ここでは車)の所有権を留保すること。

家については「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用すれば、住宅ローン返済中でも手放さずに済みます

用語集 住宅ローン特則(住宅資金特別条項)とは? 住宅ローンを除く借金を、個人再生で減額できる制度。
住宅ローンは従来どおり返済し続けることになるため、家を引き上げられることはありません。

個人再生の住宅ローン特則についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

住宅ローン特則を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 住宅資金貸付債権(住宅ローンとしての借り入れ)であること住宅資金貸付債権(住宅ローンとしての借り入れ)であること
  • 再生債務者(個人再生の申立人)が所有している住宅であること
  • 再生債務者の居住用の建物であること
  • 対象となる物件の床面積の2分の1以上の部分が居住用であること

なお、すでにローンを完済した家や車が引き上げられることはありません。

ただし、個人再生には「清算価値保障原則」というルールがあります。

これは「債務者は、所有している財産の総価値以上の額を債権者への返済に充てないといけない」というものです。

そのため、家や車を所有していることによって、個人再生後の最低弁済額が上がる可能性はあります。

清算価値保障原則についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自己破産では家や車は原則回収される

自己破産をすると、原則として家や車は回収されてしまうと考えましょう。

自己破産では、申立人(債務者)の財産を換金して債権者に配当するため、生活に必要な最低限のお金以外の財産は裁判所に回収されてしまうのです。

以下のような財産が回収の対象になります。

  • 家などの不動産
  • 車(20万円以上の価値があるもの)
  • アクセサリーなどの貴金属
  • 99万円を超える現金
  • 20万円を超える預貯金、生命保険の解約返戻金、退職金、有価証券 など

自己破産で残せる財産については以下の記事で詳しく解説しています。

債務整理したら会社や仕事はどうなる?

債務整理によって仕事に影響が出ることは、ほとんどないといえます。
そもそも債務整理をしたことが勤め先に知らされることは、基本的に少ないからです。

ただし、例外もあるので、次の項から詳しく解説しましょう。

債務整理が勤め先にバレるケースは限られる

債務整理を行ったことが、勤め先の会社にバレるケースは多くありません。

バレてしまうとすれば、以下のようなケースが考えられます。

  • 勤め先が金融業や保険業などで、「官報」をチェックしている場合
  • 自己破産で資格や職業に制限を受ける場合
  • 従業員貸付や共済組合などからの借金を債務整理の対象にした場合
  • 債務整理後の返済を滞納し、勤め先に督促がきた場合
  • 債務整理によって給与振込口座が凍結された場合

それぞれについて見ていきましょう。

勤め先が金融業や保険業などで、「官報」をチェックしている場合

自己破産や個人再生を行うと、国の機関紙である「官報」に申立人の氏名や住所が掲載されます

「官報」は一般の人がチェックする媒体ではありませんが、以下のような業種に勤めている場合、上司や同僚が掲載内容を確認している可能性があります。

  • 金融業
  • 保険業
  • 不動産業
  • 役所などの公的な組織

「官報」を見た同僚などに債務整理の事実が知られる可能性は、ゼロではないでしょう。

なお、任意整理であれば「官報」に情報が掲載されることはありません。

任意整理の官報についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自己破産で資格や職業に制限を受ける場合

自己破産の手続きを行っている間は、一部の資格を行使したり職業に就いたりすることに制限がかかります。

以下のような職業に就いている場合、 一時的に仕事から離れる必要があり、勤め先に相談する必要が生じるでしょう。

自己破産によって制限を受ける資格・職業

弁護士、司法書士、公証人、公認会計士、税理士、宅地建物取引士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、証券会社外務員、旅行業務取扱管理者、建設業者、生命保険募集人、商工会議所会員、有価証券投資顧問業者、一部の公務員、団体企業の役員、会社役員、警備業者、風俗営業、質屋 など

自己破産による職業制限についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

従業員貸付や共済組合などからの借金を債務整理の対象にした場合

会社によっては、福利厚生の一環として「従業員貸付」を行っていることがあります。

「従業員貸付」を利用していて、その借金を債務整理の対象にした場合、弁護士や司法書士からの「受任通知」や裁判所からの連絡などが、会社にいくことになります

つまり、確実に勤め先にバレてしまうのです。

また、共済組合や労働組合、ろうきんといった会社に近い団体や同僚などからの借金を債務整理の対象とした場合も、会社に債務整理をしたことを知られるリスクが高いといえます。

任意整理であれば、これらの借金を任意整理の対象から外せば、バレるリスクを下げることができるでしょう。

債務整理後の返済を滞納し、勤め先に督促がきた場合

債務整理後の返済を滞納すると、勤め先に督促が行われるケースがあります。

さらに長期間返済を滞納すると、強制執行が行われ、給与を差し押さえるために勤め先に連絡がいく可能性も生じます。

債務整理後、期日に間に合うように返済を続けていれば、勤め先に連絡がいくことはありません。

自己破産による職場への影響についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理によって給与振込口座が凍結された場合

銀行や銀行の系列の貸金業者からの借金を債務整理の対象にすると、銀行口座が一時的に凍結されることがあります

銀行が少しでも債権を取り戻そうと、口座に入っているお金と借金を相殺するためです。

口座が凍結されると、勤め先は給与の振り込みができなくなります

そうなると、銀行との間でトラブルがあったと疑われ、債務整理したことがバレてしまう可能性が出てきます。

債務整理を行う前に、給与の振込先を以下の口座に変えておくようにしましょう。

  • 借り入れのない金融機関の口座
  • 借金の口座引き落としに使用していない口座

債務整理の口座凍結についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理を理由に会社から解雇されることは原則ない

債務整理を行ったことは、解雇につながる直接的な理由にはなりません。

仮に 債務整理を理由に解雇された場合、法的根拠がないため、不当解雇を主張すれば無効になる可能性が高いでしょう。

しかし、上記でもふれた「従業員貸付を債務整理対象にした場合」は、債務整理を行うことで会社にも損害を出しています

このケースでは、債務整理が理由になって解雇されることも考えられます。

債務整理と解雇についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理により転職で不利になることも少ないが、注意すべき業種も

債務整理後に転職活動を行う場合、 債務整理が理由で不利になることは基本的にはありません

ただし、前述したとおり、 「官報」を細かくチェックしている可能性がある業種(金融業、保険業、不動産業、役所などの公的な組織)に関しては、債務整理歴を知られてしまう可能性があります

個人再生や自己破産を行った経験があると、「官報」をチェックしている可能性がある業種への転職が難しくなる可能性がないとはいえません。

債務整理したら家族に影響は出る?

債務整理をしたことは、家族にバレる可能性もあります

ただし、家族が借金を肩代わりしたり、「ブラックリスト」に載ったりすることはないといえます

家族に関する影響について、具体的に解説しましょう。

債務整理の家族への影響への影響についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

債務整理が家族にバレる可能性はある

債務整理を、家族に完全に伏せておくことは難しいケースも多いでしょう。

特に自己破産や個人再生は裁判所を介した手続きとなり、家や車が回収されることもあるため、家族にバレる可能性が高いといえます。

一方、任意整理は裁判所を通さない私的な交渉であり、家族の協力が必要な書類を用意したりすることはありません。

弁護士などに事情を伝えて連絡手段などに気をつけてもらえれば、家族にバレるリスクは抑えられるでしょう

ただし、任意整理による「ブラックリスト」掲載で、完済から5年程度はクレジットカードなどが使えなくなるため、怪しまれる可能性は低くありません。

債務整理をしても、家族が借金を肩代わりする必要はない

債務整理を行った場合に、 家族が借金を肩代わりさせられるということはありません

借金の契約は、あくまでも債務者である当人と金融業者の間で交わされたものだからです。

当人が債務整理したからといって、無条件に家族が金融業者から請求を受ける理由はなく、法律でも家族への請求は禁止されています。( 貸金業法第21条7項

子どもの進学・就職・結婚を妨げることはないが、奨学金借入時には注意

親の債務整理が、子どもの進学や就職、結婚を妨げることはありません

子どもの就学先や就職先、そして結婚が、親の債務整理によって制限されるという法的根拠はないのです。

憲法上でも、個々人に教育を受ける権利、勤労の権利がありますし、婚姻は両性の合意で成立するとされています。

ただし、債務整理後「ブラックリスト」に載っている間は、子どもの奨学金の保証人にはなれません

奨学金を利用する場合は、もう1人の親である配偶者を保証人にしたり、保証人を立てずに奨学金を受給できる機関保証制度を利用したりすることが対処法となるでしょう。

家族の信用情報に事故情報が登録されることはない

債務整理を行った当人以外の信用情報に、事故情報が登録されることはありません。

信用情報は、金融機関が個人の返済能力を把握するために、個人と金融業者の契約・取引に関する情報を登録するものであって、別個人の家族の情報にまで影響が及ぶことはないからです。

そのため、基本的に、債務整理が家族のクレジットカード利用や借り入れに影響を及ぼすことは原則ありません。

ただし、家族カードを使っている場合は、主契約者に注意が必要です。

債務整理した人が主契約者になっている場合、家族カードもすべて解約となります

【注意】家族が連帯保証人になっているときは一括返済の請求がくる

借金をした当人(主債務者)が、保証人・連帯保証人のついている借金を債務整理の対象にすると、保証人や連帯保証人に一括返済が求められます。

もし、 家族が保証人や連帯保証人になっていると、債務整理によって、その家族が借金の一括返済を請求されることになります

主債務者が債務整理することによって、「期限の利益」を喪失してしまうからです。

任意整理で家族が保証人・連帯保証人になっている借金を整理対象にしなければ、これまでどおりに返済を続けることで、家族への影響を避けることが可能です。

用語集 期限の利益とは? 「借金の返済は、分割で期日までに行えばよい」という債権者と債務者の約束ごと。債務者が期限の利益を喪失すると、期限までに支払えばよかったものが今すぐ支払わなくてはならない状態になります。
民法第137条に期限の利益を喪失する条件が定められているほか、貸金契約で個別に条件が定められていることが多いといえます。

債務整理したら保険はどうなる?

債務整理を行うと、 解約返戻金のある生命保険にも影響が生じる場合があります

解約返戻金のある生命保険は「お金を受け取ることができる権利=債権」となるためです。

逆に、債務整理は 解約返戻金のない掛け捨ての生命保険や、損害保険などには原則影響はありません

影響の内容は、債務整理の方法によって、以下のように異なります。

  • 任意整理:債権者と交渉して減額する方法なので、生命保険に影響はありません。
  • 個人再生:生命保険の解約返戻金は、個人の財産として計上することになりますが、解約の必要はありません
  • 自己破産:基本的に生命保険は解約して現金化し、債権者に分配する必要があります。ただし、解約返戻金が20万円以下の場合や掛け捨ての場合は、解約する必要はありません。

自己破産時の生命保険の扱いについては以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理は生活への影響が一番小さい債務整理の方法

これまでの解説からもわかるように、 任意整理は他の債務整理方法よりデメリットが少なく、生活への影響がもっとも小さいといえます。

実際に任意整理を行っている人は年間で推定200万人程度いるといわれており、一定の収入がある場合は最初に検討する選択肢になるでしょう。

ここまで見てきた3つの債務整理方法によるデメリット、影響について、以下の表にまとめました。

デメリット 任意整理 個人再生 自己破産
「ブラックリスト」に載る (信用情報機関への事故情報登録)
約5年

約5年~10年

約5年~10年
家を回収される
回避できる

回避できる
車を回収される
回避できる

場合による
保証人に影響がある
回避できる
生命保険を解約される
家族にバレる可能性
会社にバレる可能性
回避できる

場合による

場合による
職業・資格の制限を受ける

「それでも債務整理をするのは怖い」なら弁護士・司法書士に相談を

借金の返済が苦しい状態で放置していても、状況はなかなか改善しません

「返済も苦しいけど、自分が債務整理をしたら想定外の影響が出るのでは…?」

と不安を感じている人は、まず弁護士に相談して自分の状況を伝えてみると、スムーズに進むことが多いといえるでしょう。

その理由や、債務整理にかかる費用の相場について解説します。

弁護士へ債務整理の相談をするメリット

債務整理に関して弁護士に相談すると、以下のようなメリットが考えられます。

交渉、手続きなどの多くを代理で行ってもらえる

債務整理に必要な、複雑な書類の作成や裁判所、債権者とのやりとりなど、ほとんどを任せることができます。

督促や取り立てを一時的にストップできる

弁護士は債務整理の依頼を受けると、債権者に対して「受任通知」を送付します。

この「受任通知」が届いた時点で、債権者は督促や取り立てをストップしなければならないと、法律で定められています( 貸金業法第21条1項9号)。

自分に合った債務整理の方法を提案してくれる

自分の状況ではどの債務整理方法が合っているのか、判断することは難しいでしょう。

法律、実務双方に関する知識が豊富な弁護士に相談することで、的確なアドバイスを得ることができます。

なお、司法書士にも債務整理を依頼することはできますが、以下のような制約があるので注意が必要です。

  • 司法書士は依頼者の代理人になれないため、裁判所を介した手続きや出廷などは債務者自身で行う必要がある
  • 弁護士が代理人になっていないと、自己破産や個人再生で裁判所に払う費用(予納金)が高くなるケースがある
  • 司法書士は借金額が140万円を超える案件を受けられない( 司法書士法第3条

債務整理費用の相場│相談費用無料の弁護士事務所も

実際に弁護士に依頼して債務整理をすることになった場合、費用の相場は以下のとおりです。

任意整理:1社当たり5~15万円程度(総額は債権者の数により異なる)
個人再生:50~80万円程度
自己破産:30〜130万円程度(個人の場合は〜80万円の場合が多い)

債務整理の費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

「こんなに多額のお金は用意できない」と、感じられる方もいるかもしれませんが、分割など、支払い方法を相談することができる弁護士事務所は多く存在します。

弁護士から債権者へ「受任通知」が送付され、督促が止まっている間に必要な費用を積み立てるといった方法もあります。

受任通知についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

弁護士費用に不安がある方でも、対応策はあるといえるでしょう。

無料で借金相談を受けている弁護士事務所も少なくありません。
債務整理をするか迷っているなら、まずは相談無料の弁護士事務所に連絡してみてはいかがでしょうか

まとめ
  • 債務整理は正当な借金の解決方法で、「任意整理」「個人再生」「自己破産」といった方法があります。
    債務整理を行うと、以下のように借金の減額を図ることが可能です。
    任意整理:毎月の返済額の減額が図れる
    個人再生:借金が5分の1〜10分の1程度に減額できる可能性がある
    自己破産:一部を除き借金全額が返済免除になる
  • どの債務整理にも共通して、信用情報機関に事故情報が載る(いわゆる「ブラックリスト」に載る)というデメリットがあります。
    これにより、一定期間クレジットカードを利用できない、ローンや借り入れの新規契約ができないといった影響が出ます。
  • 家や車への影響は、債務整理の方法によって以下のように異なります。 ・任意整理:住宅ローン、自動車ローンを対象から外せば影響しない
    個人再生:住宅ローン特則を使えばローン返済中の家を残せる。車は回収されるケースがある
    自己破産:原則として家や車は回収される
  • 債務整理による仕事への影響は、ほとんどありません。債務整理を理由にした解雇は不当解雇になることがほとんどです。
    ただし、従業員貸付などを債務整理の対象にすると会社に不利益をもたらしたことになり、解雇の可能性があるため注意が必要です。
  • 債務整理によって、債務整理を行った当人の家族が影響を受けることはありません。
    ただし、家族が借金の保証人・連帯保証人になっている場合、借金の一括返済を求められることになります。
  • 債務整理するか迷っている場合、弁護士に相談することで影響を抑えながら借金問題を解決できる可能性があります。
    まずは相談無料の弁護士事務所に相談してみるのがよいでしょう
弁護士法人・響に相談するメリット
  • 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
  • 今お金がなくても依頼可能!
  • 相談は何度でも無料
  • 最短即日!返済ストップ
監修者情報
澁谷 望
監修者:弁護士法人・響弁護士
澁谷 望
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第54634号
出身地
熊本県
出身大学
大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
[実績]
43万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
43人(2023年2月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
[拠点]
計7拠点(東京、大阪、香川、福岡、沖縄)
関連記事